| 今回のインタビューは、ヒューマンギネス倶楽部の佐藤 富雄(さとう とみお)先生です。
佐藤先生は「口ぐせ博士」として有名で”口ぐせを変えることで人生を変える”ということを提唱されていらっしゃいます。 出版された著書は100冊を越え、ルーマニア名誉領事、ヒューマンテック国際大学学長などの要職も務められています。 いかに100歳を元気に美しく生きるかを探求し、「70歳を越えた今、50代の頃に比べると10倍以上に思考能力も仕事のやり方も向上した。」と言われていたのが印象的でした。 まさに「人生の達人」とも言える佐藤先生に、口ぐせ博士に至る経緯、そして生きるということについてお話しをうかがいました。 |
|
「言葉が生き方に影響する」
|
![]() 「学生時代の佐藤先生を教えてください」
当時から、ほら吹きでしたね(笑)。 戦時中で、まともな勉強をできる環境ではなく、学校を止めて父の農場を手伝っていました。その後、戦争が終わり復学しました。休学していた都合で、同級生の中では、年齢が少し上でした。仲間の間ではお兄さんのような存在でしたね。 その中で私は、「労働者のように働いて、実業家のように暮らす」とほらを吹いていました。本当は、実業家がどんな暮しをしていたかなんて当時は知りませんでした。戦後の混乱期の中、そんな話をして仲間が勇気づけられて喜ぶ姿を見るのが嬉しかったのです。 「学校を卒業されてからは、どうされたのですか?」
農業大学で生化学を研究した後、早稲田の大学院の経済学研究科に入学して、マスター(修士)になりました。そのままドクターコース(博士課程)に行こうと思っていたのですが、たまたま求人募集で面白い広告を見つけてしまったのです。 いたずら半分で入社試験を受けたのですが、試験に通ってしまいました。 オリンパスに医療機器を納品していたアメリカのメーカー会社で、理系のバックグラウンドがある私にはちょうど良かったのです。給料が高いというのも魅力的でした(笑)。 その会社には10年間いたのですが、その後、秋田大学に医学部ができるということで、生化学を教えに行きました。秋田美人がいると思ったので(笑)。2年半ほどいました。 そして大学を辞めた後、アメリカに移住して現地の会社に就職しました。 その後は、日本の会社の代表を務めたり、外資系の会社に勤めたり、当時の日本人としては珍しく会社を転々としましたね。会社を移るたびに収入も上がりました。 「良い会社に就職して、転職を繰り返しても、うまくいく人とうまくいかない人がいます。なぜ佐藤先生はうまくいったのですか?」
私は天性の楽天家なんですよ。そして冒険家であり、ほら吹きでした(笑)。 何かをやる前から既にやっているような話を自信を持ってしていました。若い頃から「人は言ってから実行する」ということを実践していました。 そして、言ったことは必ず実現してきました。そうすれば評価も上がりますし、部下からも信頼されますよね。いわば私の秘密兵器です。 「まさに『口ぐせ博士』の原点ですね。当時の仕事ぶりについて教えてください」
人の3倍は働いていました。しかし遊びを犠牲にしていたわけではありません。 今のビジネスマンのように仕事と遊びに区切りがあったわけではありませんでした。30代の後半は、ポルシェで会社に通っていました。通勤というと仕事の一部かもしれませんが、ポルシェで会社に行くのは遊びでした。女の子をドライブに誘い易いですし(笑)。 人の3倍働くということは、人の3倍以上の行動力があったということです。普通の人が休みの日にゴロゴロしていても、私は遊びに行っていました。 例えば、当時の土曜日はいわゆる半ドン(半日休み)だったのですが、女性と待ち合わせをして「神戸牛を食べに行こう!」と言って東京から神戸までドライブに行っていましたね。女性は驚いていましたけど。 「仕事も遊びも充実されておられたようですが、当時から『絶対にこれだけは譲れないこと』はありましたか?」
「楽しくないことは絶対にしない」ということです。これは今でも同じですね。 例えば、誰かから家に招待されたとしても、そこに訪問することが「楽しいこと」でなければ絶対に行きません。義理で行くことはまずありませんね。 例えば、教養があって対話を楽しめる相手だったり、ちょっとした会話からでもお互いに得ることがある相手なら楽しいですね。「美味しいワインがあるよ」と言ってもらえれば、なおさら嬉しいですね(笑)。 「口ぐせについて意識されはじめたきっかけについて教えてください」
大学で最初に勉強したテーマが生化学、つまり体の中の化学反応についてでした。その中でも特に脳について興味がありました。 たとえば、頭の中に心配事が起きれば、アドレナリンが出て、顔が青ざめたり、食欲が無くなったりして体に影響します。つまり、人間の意識が、体の化学反応の引き金になるわけです。 なので、科学的に見て、人間の言葉が体に影響を与えることは理解していました。しかし当時は「言葉が生き方に影響する」ということを言う人は、宗教家か精神論者しかいませんでした。 1970年代前半に、たまたまトランジットで立ち寄ったホノルルで「サイコサイバネティックス」という本を見つけました。科学的なアプローチで「言葉が生き方に影響する」ということ論じているのです。 それまで、自分の頭の中で理解していたことや経験的に身につけていたことが目の前に現われて、全てがつながったのです。
|




