今回のインタビューは、夫婦問題研究家の岡野 あつこ(おかの あつこ) 先生です。 個人カウンセリングとともに「実践離婚カウンセラー養成講座」で大活躍の 先生は、NPO法人日本家族問題相談連盟理事長でもいらっしゃいます。 20年にわたり2万件以上の夫婦問題を解決してきた先生から、 「離婚・修復カウンセリング」の特殊性とやりがい、今後の展望について お話を伺いました。 |
私のように、離婚で悔しい思いをして欲しくない |
![]() 「まずは、日本の離婚の現状を教えていただけますか?」
バブルが弾ける2002年位迄ずっと離婚件数はうなぎのぼりに多かったのですが、2004年の年金分割を懸念してなのか、2002年をピークに、実は離婚件数は下がっています。2004年の年金分割法案が通って施行された2007年に半年程少し上がって、その後横ばいを維持しています。 経済状況がこれだけ悪い今、離婚することが本当に幸せになるとは限らないという状況をふまえると、離婚を勧めるカウンセラーは結構少ないと思うので、そういう意味では離婚は減っていくと予測はされています。 ただ、若年と熟年に関しては増えてしまうところはあります。若年の場合は結婚という選択が間違っていたのなら、子供の生まれる前に早く軌道修正した方が良いと考えるからだし、熟年はもうこれ以上頑張ってみてもしようがないと考えるからです。 「今の日本の離婚率は?」
日本の離婚率は33%以上だったものがそれ以下になってきています。韓国や中国の方がよほど高くて、世界でも低い方になってきています。イタリア、フランスでは事実婚の方が多いので、まず離婚がないのです。欧米諸国も少ないのですが、日本も減ってきているところです。 経済状況の影響が大きいとは思いますが、これまでは一時の感情で離婚してしまったケースが多かったのですが、今は自分の気持ちに正直になって考えをもう一度見直す時代になってきているので、少し減っているのかなと思います。 「離婚カウンセラーの必要性は高まっているのですか?」
実は、離婚の相談件数は増えています。自分の心の中で解決したり、身内に相談してやってきたことを、今は専門家に相談するという時代になってきたのです。 なぜなら自分が離婚に直面した時に、それを乗り越える活動「離活」が流行ってきているのですが、色々な選択があるというところに皆さんが、徐々に気がついてきているからだと思います。 「離婚しなくても」と説得すれば分かる方は多数いらっしゃるし、なんとか修復したいという相談者も多いので、お互いの行き違いを解いてあげるとやり直せるケースも多々あります。 「今のお仕事に至る経緯は?」
埼玉生まれなのですが、文通相手に誘われて京都の大学に進学し、仕送りの4倍の20万円をアルバイトで稼ぐ大学生活でした。そのため単位が足りず、4年で卒業するのはとても厳しい状況でしたが何とかやり抜きました。諦めない精神はその時に培われたのかも知れません。 卒業後は、人に接するのが好きで営業が得意でしたから、色々な業種の営業職をやりました。 28歳の結婚適齢期になった時に、一人っ子だし、埼玉県に帰らなきゃと思いました。それで小学校の先生の免許を通信で取り、京都で知り合った5歳年下の彼を連れて埼玉に戻り、結婚しました。 代用教員を一年間やった後、家庭に入って5年目に男の子を授かり、夫が不動産屋だったので家も建ててくれて幸せの絶頂でした。 ところが夫の浮気が分かったのです。一年間色々なことをしましたが浮気を認めず、私もその時には知識がなくて、探偵依頼に100万円かかると電話で言われて、「そんなに出せないと」探偵もつけられませんでした。 今も「100万出せない」って皆さん言うけれど、実は100万出したとしてもしっかりした証拠さえとれれば、100万以上のお金は慰謝料として取れるのです。その時は、自分としてはやり直したいから自分で探偵をして隠れて写真を撮ったのですが、それでは証拠にはなりませんでした。 離婚した時、相手が浮気をしているにもかかわらず慰謝料はゼロ、結婚してから二人で築いた財産も隠されてゼロ。そして養育費も思うようにはもらえなかったので、あまりにも不利益な離婚を強いられて大変悔しい思いをしました。 昔から変な正義感があって、私にはもう済んだことでも、後々私のような人ができては困るとか、不利益を被ったらかわいそうだと思ったのです。私の場合は失敗だったけれど、そうならないために離婚相談をして、取るべきものは取れるようにしてあげたいというのが始まりです。 「離婚当時は、失敗と分からなかったのですか?」
調停の時から分かっていました。「浮気してないから慰謝料は払えない」と言い張って、わざとボロボロの車や服で来て「お金がない」と言って、帰ると会社名義のベンツに乗っていて…。財産は隠されて、貯金通帳も何も持ってきていなくて…という離婚でした。 今、法律をかざして、慰謝料と財産半分がもらえると言っている人がいるけれど、隠されたらもらえないし、慰謝料も本当にはっきりとした証拠がないともらえないのが現実です。 皆さん、机上の空論で本に書いてあること、弁護士さんから聞いたことしか頭にないけれど、私は現実に起こった事実を経験談として一つだけだったものを、19年カウンセリングをやっている間に色々な方の相談を自分の事のようにして乗り越えてきたわけですよ。 それが私の中に蓄積されたノウハウでした。 事例ができてきたのでお金がもらえるし、それが売れる。要はカウンセリング能力というより、私の体験やノウハウを売ることをしてきているのです。 ![]() |