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あなたのそばにいる「こころ達人の横顔」 インタビュー集


カウンセラーやセラピスト、セミナー講師など「こころの現場の最前線」で活躍されている方の横顔を紹介します。

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 ・私も将来カウンセラーになりたいのですが・・・
 ・・・などなど


「こころ達人の横顔」をインタビューしてきました。
あなたにとって、カウンセリングやセラピー、ヒーリングがもっと身近になれば幸いです。

- 中井 喜美子 先生 親業訓練協会 -

   「自分で感じて、考えて、問題解決していく力を育てる!」

2010年 08月 21日


今回のインタビューは、「親業訓練協会」の中井 喜美子(なかい きみこ)
先生です。

先生は、親業訓練シニアインストラクター、教師学上級インストラクター、看護ふれあい学上級インストラクターとして、全国の地方自治体・大学などで講演・講座にひっぱりだこでいらっしゃいます。

看護ふれあい学研究会会長も務められ、「親も子も輝くコミュニケーション」
「看護・介護で互いを活かすコミュニケーション」を伝える活動に注力されています。

育児・介護にすぐに役立つ「自立心を育てる接し方」と「ふれあいマインド」について、深いお話を伺いました。


自分の責任で相手を信頼して、自己表現することが優しさ
インタビュー写真




「親業と出会ったきっかけは?」

うちは娘二人なんですが、長女はセーターを編んだりいつも何か作っているのが好きだったんです。中学三年の受験生の時に、私は「そんなことしている間に英語の単語を一つでも覚えなさい!」と叱っている親でしたから、娘が胃が痛いと言うようになるまで私の対応が悪いとは気付かずにいました。

娘が「勉強するのが辛いよ」って言っている時に、「ああしたら、こうしたら」と言ったり、「体に良いものを作ったから、これで元気出しなさい」って言ったり。結局、娘は美術大学に進んだのですが、あのとき親業に出会っていなかったらと思うと・・・。

ロジャーズのカウンセリングを日本に導入された第一人者の佐治守夫先生が恩師だったのですが、先生にお話したら、「親業を勉強してごらんなさい」っておっしゃったんです。「そんなこと勉強する人なんているんですか」と半信半疑でしたが、佐治先生がおっしゃることなら・・・と学び始めたんです。

ですから、娘を何とか元気に受験させたいと思ったのがきっかけだったんです。

知識として心理学は勉強しましたし、ロジャーズの理論も勉強しましたが、目の前の子どもにそれを応用できるかって言ったら、そうじゃないんだなっていうのを実感して、本当に愕然としましたね。


「受講されていかがでしたか?」

3時間×8回のたった24時間で、子どもに対する自分の気持ちがこんなに変わって楽になることに驚きました。

これをもっと子どもが小さい頃に知っていたら良かったなというのと、自分はこういう対応をされていなかったので、忘れないようにインストラクターになろうと思ったんです。

親業の三つの柱を講座で学んで、家に帰ってから「勉強するのが辛くなっちゃったのね」と長女に聞くと「うん」とホッとした顔をしたんです。分かってもらえるとモヤモヤが取れて、自分の力で考えて、問題を解決していくことができる。それが自主性を育てるということだったんです。

親が受容の気持ちを伝える術を身につけると、子どもが自分を好きになって、自分の価値に目覚める過程に影響を与えられるようになる。そして一番大きいのは、子どもが自分は愛されていると感じることができ、少年期・青年期に味わう失望と苦悩に建設的に臨む力を与えることができる、そう親業の本には書かれています。

本当にそうだな、とすごく実感しました。


「親業の三つの柱というのは?」

「聞く」「話す」「対立を解く」です。 「聞く」ことは、子どもが心を開いて本当の気持ちを親に話すように接し、子どもが何か問題を持って悩んでいる時に、自分で解決できるように手助けします。

子どもは自分を理解しようとする親の姿勢に気付くと、自分で乗り越えようとするエネルギーが湧いてくるんです。自主性を育てることができるのが第一の柱(能動的な聞き方)です。

「話す」ことは、親が困った時に相手を叱ったり責めたりするのではありません。何が何故困るのかを率直に伝えて、自分がやった行動が人にどんな影響を与え、どんな風に感じさせたか、気付くように親がちゃんと向き合って語り、思いやりを育てるのが第二の柱(わたしメッセージ)です。

第三の柱は、二人の人がいれば当然対立が起こるでしょう。この時一方的に言うことを聞かせるのでも、子どもの言いなりになるのでもなく、それぞれの要求を出し合って解決策を一緒に考える。

これはジョン・デューイの6段階の問題解決課程にあてはめて、この順番で問題解決をしていくと、話し合いが非常に楽になるとゴードン博士が勧めています(勝負なし法)。国際社会でも活躍できる対立を解く力を、家庭の中で育てていくことができるんです。

特に第二、第三の柱である自己表現の対応と話し合いの対応が目から鱗でした。「奉仕と犠牲」が優しさだと思っていたんです。

そうではなくて、自分の気持ちに正直になって「あなたなら分かってくれますね」と自分の思いをちゃんと伝えること、自分の責任で相手を信頼して自己表現することが優しさだと、本当に180度考え方が変わったのです。


「相手を信頼して自己表現することが大切と思われたのですね?」

その通りです。ゴードン博士の言う自己表現は、一方的にこちらの要求や不満をぶつけるのではなくて、何を何故困っているのか、自分はどうしたいのか、本音の自分の思いだけを語って、後は相手の言い分を聞いて、それから先は相手に任せるのです。

自分が相手を大切にするというのは、相手を受け入れることだけに終始するのではない。ゴードンメソッドの根幹はそこだなと感じました。


「親の対応として、どのあたりが問題なのでしょう?」

親が代わってあげられないこと、例えば勉強やお稽古、友達との関係などで悩んでいる時、子どもに自分で問題解決をさせないで、親が良かれと思って、親の意見、考え、判断をあげちゃうんです。

具体的に言うと、「ああしなさい。そうするとこうなっちゃうよ。こうしたら。しょうがない子ね。いつもそうなんだから。どうしてそうするの? あなたならできるわよ。まあいいじゃない」など。

困っている時にこの対応をされると、子どもはもう話したくなくなってしまいます。本当の手助けは、その子が自分で考えられるようにモヤモヤを取ってあげることなのです。


「具体的にはどういう接し方をすれば良いのでしょう?」

親の意見、判断、考えをあげないで、子どもの話を聞く。それは、「どうしたの、何があったの」と質問するのでもなく、「いいよ。やらなくても」という同意でもないんです。親は鏡になって子どもの言ったことを繰り返したり、気持ちをくんだりします。

例えば、子ども達が戦いごっこをやって「やめて」って言ってもやめてもらえない、そういう時に親は一生懸命アドバイスしがちなんですけれど、それを「やめてって言ってもやめてくれなくて困ったのね」「叩かれて辛かったのね」って、こんな風に聞いてあげる。

これが能動的な聞き方です。


「親業を学ぶことで、お子さんにとってどんな良い点がありますか?」

自分で問題解決していくという力が伸びて行きます。自分に良い意味での自信ができる。人と関わることが怖くなくなるようです。また親に愛されていると確信できるようになります。あるお嬢さんが「だから自殺はできないなって思えた」と言っていましたね。


「では、親側にとってのメリットは?

親業訓練講座はグループダイナミクスを大事にしているので、何人かの人と一緒に勉強するんです。 そこで色々な方が色々な思いを持っているんだということに気がつくと、自分の子どもが自分と違う考えを持っていることが認められるようになってきます。そういう意味で「自分だけが」と思い込まないで、色々な考え方にも柔軟に対応できるようになります。

それからゴードンメソッドで一番大きいのは、誰が困っているのか、誰が解決する問題なのかを明確にするということです。

子どもがいじめられたなんていうと、親が全部代わって解決してあげようとしてしまう。勉強ができない、何かがうまくいかない、なんて時に「こうすれば、ああすれば」という提案型が多いですよね。

でもそれは本人が解決すべき問題なのです。親業を学ぶことで、本人が自分で解決するという力を信じられるようになる。

親子関係は全ての人間関係の基本なので、勉強してみると、夫と自分との関係や周りの人との関係をもっとこんな風に大切にしていったらいいんだなと分かるので、お母さんが本当にイキイキしてきます。

自己表現の形で伝えると、責めることなく自分の事が語れる、というのが一番大きいでしょうね。


「親子関係だけでなく、全ての人間関係が良くなるのですね?」

そうです。人間関係の基本なので。 親業訓練講座でロールプレイを行ったり、練習しながら学ぶと、心を通い合わせるコミュニケーションの仕方と同時に、自分も相手も大切にする心持ちがつくのです。気持ちがつかないと、やり方を学んだからといって今日から子どもの話が聞けるかっていうと、そうではないんですね。

講座では、心の窓の整理から始めて、子どもが言ったり行ったりしていることが、自分だったら受け入れられるかどうかを考える。すると受け入れる人や受け入れない人、子ども自身や自分の状態や、その行動がいつどこで行われているかによって感じ方が違うんだなってことが分かってきます。

ここから始めて、しかも「お母さんが子どもをいつも受容してニコニコしてなくてもいいんですよ。嫌だな、困ったなってことがあって当然なんです」ってお話しますとね、皆さんスッと肩の荷が下りるんですね。

誰が困っているのか、子どもに任せていいのか、親が出るところなのか。その区別がつくようになると楽になるんですね。その分、子どもを受け入れたり、自分も成長しようと思うようになる。子どももすごく自由になるし、自分らしく生きられる。

そういう両方向のコミュニケーションが子どもも親も楽にしていき、びっくりするくらい子どもの能力や自主性が育っていきますね。親業を勉強された方のお子さんが、驚くほど友達とちゃんと問題解決していく。

能動的な聞き方は2歳からできるようになりますし、話し合いも4歳くらいからできるようになります。中学高校くらいになったら自分も困らず、お友達も助けられる。親が勉強しているだけなんですが、子どもさんは実践している親を見習って、自然にできるようになっていくのです。


インタビュー写真




自分で感じて、考えて、問題解決していく力を育てる!


「先生がその後、看護ふれあい学の方向に進まれたのは?」

自分も病気をしてみて、ゴードンメソッドの対応が医療看護の現場に絶対に必要なことを実感しました。これを知らないことで、努力しているのに患者さんと心が通い合わなかったり、無理して頑張り過ぎてバーン・アウトする(燃えつきる)人たちが多いことをとても残念に思ったんです。

もう一つは、親業を日本看護協会でもお話していくうちに、どの研修も患者さんのことばかりで、看護する側がいかに自分を大切に生きるかということを見落としているなって思ったんです。

何とか医療・看護・介護・福祉の世界にゴードンメソッドを役立てて、自分が楽になったように皆を楽にさせてあげたいと思ったのです。それが自分の使命のような気がして・・・。

看護する自分が輝いて初めて、周りの人たちを輝かせることができる。それがなくて自己犠牲だけだったら、むしろ相手に負担を掛けるだけなんだと実感しました。

しかもゴードン博士の言う自己表現は、何を何故困っているのか、自分はどうしたいのか、本音の自分の思いだけを語って、後は相手の言い分を聞いて、それから先はお願いや指示をせず、相手に任せるのですから。それだったら看護にも通用するなと思ったんです。

そこで各講座のすべての対応を集大成して、誕生からこの世を去るまでのケアのコミュニケーション、看護ふれあい学講座を日本で独自に作ったのです。


「看護ふれあい学講座の特徴は何でしょうか?」

この講座は世界に先駆けてケアをする人とケアを受ける人、両者の人間的なふれあいを実現するために開発されました。あらゆる人間関係に通じる対応を身につけ、自己成長を促すプログラムなんです。

患者理解のみが強調されてきた看護の世界に、患者を信頼して率直に自己表現する姿勢を可能にし、ケアする側に自信と実力の向上をもたらしています。

お世話されるばかりで生きていたい人はいないんですよ。だからケアする側が困った事や、こちらはこういう方針でいきたいんだということを、わたしメッセージでちゃんと伝えて分かってもらう。当然起こる対立は、知恵を合わせて話し合いで解決する。

その時に相手の抵抗や思いを受け止めて、聞きながら語る両方できますから、ケアを受ける人たちも誰かの役に立ったり自分が存在することを喜ばれて生きていられるという、そこがゴードンメソッドでできる。

5年目の看護師の方から嬉しい言葉をもらいました。「私が困っていることを伝えるのは、患者相手だとタブーという暗黙の了解がありました。でも、わたしメッセージを用いてコミュニケーションをとることで自分の気持ちに嘘をつくこともなくなり、前より相手の気持ちを尊重できる感じです」


「介護で悩んでいらっしゃる方も、学ぶことで楽になりますか?」

もう、それは完全にそうですね。自分も相手も大切にする。患者さんやお年寄りだからと言っても、いつも弱くて困っている状況ではない。

相手が辛い時はもちろん受けとめて聞いてあげ、問題のない時は普通に接することができます。こちらが困った時は、ちゃんとそれを伝えて、相手が誰かの役に立って生きたいという思いを尊重します。

施設に入所されていた方が、「家に帰りたい」と言って聞かない時。それを「帰りたいんですね」ってよく聞いていくと、家に帰って何かしたいというよりも、「ここにいて皆さんに迷惑をかけてるのが嫌だ。家に帰れば私は何でもできるんだから」と言うんです。

認知症が入ってくると段々そうなりますよね。「家に帰れば何でもできるのに、ここにいて皆さんに迷惑かけてるのが辛いんですね」って能動的に聞くと、「そうなの」と。口から出ると、それでモヤモヤは消えていくので暫く静かになる。そういうことが沢山ありますね。

だから、正直に当り前の人間関係を持ちながら、その方を生かし自分も生きるという、特に看護、介護はそうありたいですね。

昔、「寝たきりの母より白髪多き妻」なんて川柳があったくらい、犠牲と奉仕で行なっちゃうと皆そうなっちゃう。そこを何とかしたいなっていうので、本当の優しさをお伝えしたくてね。


「親業の講座は、どんな方に受けてほしいと思われますか?」

全ての人に受けてほしいですね。男性も女性も。

特にお伝えしたいのは、これから出産される方に、赤ちゃんが生まれてくる時、出産後30分間が、母子の絆を作るのにとても大事な時期なんです。へその緒がつながっているところで、まずおなかに乗せて、お母さんに声掛けさせてあげてほしいのです。

赤ちゃんは、すごいストレスにさらされて「苦しいよ〜」って出てくるんです。その時「赤ちゃんが問題を抱えてる」ということです。それで「泣く」というサインを出しているので、お母さんは能動的な聞き方で、気持ちを汲んで聞いてあげるとよいのです。

「苦しかったのね。辛かったのね。よく頑張ったね」と5〜10秒でいいんです。へその緒がつながっている時だと10秒位で赤ちゃんは一瞬泣き止み、お母さんの顔を見ようと目を開けようとするのです。本当に何例も見てきました。うちの孫もそうです。

そこで「お母さんは、自分をケアしてくれる大事な存在なんだ」って分かる。そうすると後は落ち着いて、キーキー言わない。子育てが楽になりますので、是非、皆に知って欲しいなと思います。


「“わたしメッセージ”のポイントはありますか?」

子どもの行動が受け入れられない時のわたしメッセージは、三部構成で伝えることが大事で、例えば「汚れた靴下のまま家の中に入ると、泥が落ちて掃除しなくちゃならないから、いやなの」と、こういう風に「何がなぜ困るか」を伝えます。

2歳1ヶ月の坊やのお父さんの話で、面白いのがあるんです。 お子さんが水を口に含んでピュッと吹き出すことができるようになって、何度もお父さんに水を吹き掛ける。お父さんは最初は「止めなさい」って言っていたけれど止めない。もうちょっとで、その子の頭を叩いて「そんな分からない子はこうだぞ」って言うところだったんです。

お父さんもお母さんも親業を勉強していて、お母さんがすっ飛んできて、「『止めなさい』は、あなたメッセージでしょ。わたしメッセージで言ってみたら!」って言ったんです。「あ、そうだ」と思って、「冷たい水をお父さんに掛けると、お父さんは冷たくていやだよ」と。

「何がなぜ困るか」を伝えたのです。でも、子どもは「いや」って言ったんですね。そこで、子どもの言い分を能動的な聞き方で切り替えて聞くって言うのが大事なんです。「水掛遊びが楽しいんだね」と聞いたそうです。

「止める」というやり方で、「私を助けなさい」というのは「いやだ」ということですよね。お父さんが困るといっても、すぐにはうんと言えない。「水掛が楽しいんだね」と気持ちを理解したことを伝えて、もう一回「お父さん、水が掛かると冷たいから、風邪引きそうでいやなんだよ」と。

わたしメッセージの大切なところは、指示をしないんですね。「困る」「いやだ」ってことだけ相手に伝えて、相手に任せるんです。すると、子どもはどうしたかというと、お父さんに掛ける水の量を減らしたんです。

お父さんがもう一回「でも、ちょっとでも掛かると、やっぱり冷たいからいやだよ」と言うと、子どもは、お父さんに掛からないようにピュッとやったんです。

お父さんは「2歳でも言えば分かるんだ。この子はこんな小さな頭で、どうすればやりたいことをやりながら、お父さんを困らせないようにするかを考えられたんだと思ったら、可愛くなりました。3歳までは叩いて育てていいなんて大間違いだ」と言っていました。


「子どもが自分で考えるのですね?」

1歳くらいでも「何がなぜ困るか」を言って、言い分をしっかり聞いてあげると、ちゃんと分かってくれます。わたしメッセージで伝えると虐待の予防にもなりますね。小さな子どもにも分かり易いので、大好きなお父さん、お母さんを困らせないように頑張ります。

小さなところから、毎日毎日の関わりで、親が何を大事にしているか、こうしていきたいんだということもちゃんと言っておくと、子どももそれが分かり、自分も言えるようになっていくんですね。

それで、親が模範になりながら、子どもが自己表現も、相手の言い分を聞くことも、そして対立が起きれば、怖がらずに問題解決することも日常的にできることなんだなと覚えていくのです。


「能動的な聞き方についてはいかがですか?」

能動的な聞き方というのは、子どものありのままを理解したことを伝える対応ですが、困った時に誰かに言って分かってくれた、理解してくれた、そういう事があって、何か困った時に人に援助を求めていこうという能力が育ちます。そして人に話す事が嬉しくなっていくというのが一番基本なんですよね。

そういう意味で全ての人に対応を知ってもらって、お母さんじゃなくても誰でもいい、その子どもに関わって理解をしてあげる。と同時に、大人も困ったり、いやだということはしっかり言っていく。それが大事だと思います。

子どもは他者という鏡に映して、自分が何をしてはいけないかというのを学んでいくんです。今そこの所できちんと大人が自己表現をしていないから、かんしゃくや大騒ぎが小学校まで続いてしまっている。子どもを責めたり、しょうがないというのではなく、親の自己表現が必要です。


「子どもさんに関わる大人がしっかり自己表現をしていくことで、お子さんの自己表現力がついていくという、そういう効果がある訳ですね?」

そうなんです。自己表現というので間違いやすいのが、何でも語ればいいというのではなくて、他の人の事は裁いたり、評価したりしない。自分の事だけ語ることなんです。また、自分の事を語ったら、後は相手の言葉をよく聞くっていう、両方向のコミュニケーションにする必要があるのです。

語ったら、能動的な聞き方に切り替えて聞くっていう、これですね。わたしメッセージを言うと、相手は感情が高ぶりますから、それに抵抗したり言い訳したりします。

そこで「言い訳するんじゃありません」って言いつのるんじゃなくて、能動的な聞き方で相手の言い分を必ず聞いて、また語る。そうすると、建設的で効果的な自己表現になります。

そして、おっしゃる通り、自己表現を親がやってみせて初めて、子どもも言えるようになるんです。


「小さい頃からのお稽古事や早期教育に熱心なお母さんもいますが、そのあたりはどのようにお感じになっていらっしゃいますか?」

これは子育てに親がどう関わるかの視点なんですけれど、今これだけ受験戦争になって幼児教育も盛んで、親たちは、どう子どもに良い教育や良い学習をさせて、優れた子に育てるかっていう事にすごいエネルギーを使うようになっているんですよね。

もちろんそれも大事だと思いますよ。ここで問題所有の原則として、お母さんが討って出る事なのか、子どもに任せていく事なのか、そこの区別がついていないのが問題ですね。

全部「自分が」になっていると、結局それでやっていくと、子ども達に自分で感じて考えて自分で決めていく力が育たない。そういう子どもが今、増えているのです。

それで会社に行ってもうまくいかなくて、言われた事はやるんだけれど、それ以上の事はできない。そういう風になってしまう危険性を持っているのですね。


「自主性の問題ですね?」

だからもし、子どもがお稽古を嫌がった時は、言い分を聞いてあげて、自分で決めて自分で行かれるようにしてあげる。お稽古したり頑張るのは子どもが自分でやっていく事ですよね。それについては、もし何か言ってきた時はよく聞いてあげるという対応を加えていくといいと思うんです。

そして、お母さんが困ったりした時は、「本当は嫌なんだけど、しょうがないわね」って言うんじゃなくて、言いたい事はきちんと伝えていくという対応を、これもまた加えていく。

「親業」の私が大好きな所なのですが、命の危険な時と、言っても分からない時と、時間的余裕がない時と、その人にとって心理的な緊急事態の時は、無理やり言う事を聞かせちゃっても仕方がない。

その代わり、後から何でそうしたのかと説明して、その時は余裕があるから相手の思いを、聞いていってあげましょうと。

だからそのお母さん達の一生懸命さを否定するのではなくて、子どもが「いやだ」っていう時は言い分を聞く。そして困ったなと思ったら、「これでいいんだろうかとお母さんは心配だわ」とか、「これでは嫌なんだ」とか「残念なんだ」っていうその言葉を伝えていく。

この対応をもっとやりましょうよと言いたいのです。すると子どももその言葉で、友達に伝えていく力ができていきます。それは模範を示さないと難しいので親がやってみせる。


「親が模範を見せるのですね?」

それで親と子の対立も、一緒に問題解決していく。もちろん価値観の対立はなかなか難しいんです。勉強の仕方等の対立はね。

でも小さな所で、ペットの世話とかお手伝いの問題とか、そういう対立が起きた時にちゃんと困る事を言って、子どもの言い分もちゃんと聞いた上で、どうしようかって発想を転換して両者が知恵を合わせてアイデアを出し合うのです。

そうやって問題解決をしていくと、学校でのトラブルにも、子ども達は自分達で対処できるようになる。話し合いは4歳からできるようになりますよ。お母さんが勉強していると、子どももちゃんと語って、聞いて、どうしようかっていうのをやるんです。

家庭の中でこの対応を足していかれればいいと思うんですね。ゴードンメソッドは全ての人間関係の基本なんで、折に触れて加えていく、足し算していく。

そうやって、子どもを自分の人生の主人公に、そして親も自分の人生の主人公に。主人公っていうのは、自分の人生は誰も代わってくれませんからね。


「それぞれが主人公なのですね?」

たった一回の私の人生を皆主役になっていく。子どもが自分で決めて、価値観を大事にしていく。それを見守りながら、親の良いと思うものは模範を示したり、子どものコンサルタントになったりして影響を与えていく。言い分を聞きながら、強制しないで子どもの選択に任せることが必要です。

だから時々、無料の説明会を開いているんです。たとえ講座を勉強されなくても少しでも話を聞かれたら、プラスになると思うのです。皆が知っていてちょっとずつ足し算して、「お宅どう?」「実はこういうことがあって、こう言ったらうまくいった」みたいなことがあったらいいですよね。


「親子関係や介護の問題で悩んでらっしゃる方へ、メッセージがありましたら?」

無理しない事ですね。誰も人を困らそうと思ってやっている訳じゃないですし、分かり合いたいと思っているし、誰かの役にも立ちたいと思っていますよね。そこを大事にしながら関わっていくことが大切なのかなという風に思うんですね。

私さえここを我慢すればとか、無理しちゃう事で結果的に長続きしなくなります。特に介護は大変です。 この学習をする事で、コミュニケーションを取るのが楽にできるようになって、相手からも感謝される。誰かが一歩踏み出せば、向うからも返ってくる。そういう事なんだなって思います。困る事はちゃんと話して、どうしたらよいかを相談していく。

それまでとんでもないおじいちゃんだと家族もお見舞いに来なかった人でも、看護ふれあい学で学んだ対応を皆で心を込めて行っていったら、感謝もするし反省もするというおじいちゃんに変わられて、それで、少しお家に連れて帰るっていう、そんなことまでできるようになったりしています。その方の残りの人生を心豊かな状態に変えていけるのですね。

こちらが心をかけて、そして言いなりになるのではなく、きちんと伝えたり受け止めたりしてお互いを大事にし合う事が、お互いを生かすんだなと本当に実感しています。


「先生の今後の夢や展望などはおありですか?」

27年続けてきたこの活動を通して、人が好きになりました。高齢化社会を迎えて、誰もが看護の心を持ち、それを表現するスキルを身につけていることが重要になってくるでしょうし、自分が老いや病にどう向き合うか、ケアを受ける側になった時の患者学としても必要です。

同じ時を共有した私達一人ひとりが尊重され、活かされ、互いに助け合う事を喜びながら、心豊かな人間としての自立を目指すゴードン・メソッドのコミュニケーションを、博士の言われたピース・メイキング(世界平和の実現)につながると信じつつ、家庭に、保育・教育現場に、職場に、医療・看護・福祉の現場に、地域に伝える歩みをたゆまず、心を込めて続けていきたいと思っています。




<編集後記>

講演・講座で、毎日全国を飛び回っていらっしゃるという
中井喜美子先生。

暖かさと輝きに満ちた笑顔で、白を基調とした陽光あふれる
素敵なセミナールームに迎え入れてくださいました。

 「自分も相手も大切にする」
 「自己表現をして、相手の自主性を信頼する」
 「奉仕と犠牲ではない、本当の優しさを伝えたい」
中井先生の言葉の1つ1つに、深い人間愛を感じさせていただきました。

グループで 楽しく語り合いながら、自分も相手も生かす「親業」講座。
まずは、先生の無料説明会から、体験してみてはいかがでしょうか?



次回号「アドラー心理学とは、自己決定と勇気づけの心理学」→

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インタビューTOP(目次)

-ご案内- 中井 喜美子 先生 親業訓練協会


中井 喜美子(なかい きみこ) 親業訓練シニアインストラクター
                    教師学上級インストラクター
                    看護ふれあい学研究会会長

「親業訓練」は、米国の臨床心理学者トマス・ゴードン博士が
開発したコミュニケーションプログラムです。
カウンセリング、学習・発達心理学、教育学など、
いわゆる行動科学の研究成果を基礎にしています。

ゴードン博士は、親としての役割、つまり<親業>を果たすことは、
「一人の人間を生み、養い、社会的に一人前になるまで育てる」仕事に
たずさわることであると述べています。

多くの親は「親の役割」をはたすために、自分の親から伝えられた経験と、
さまざまな情報・知識に揺れながら試行錯誤を繰り返しているのではないでしょうか。
この暗闇に手さぐりしている親達に、ひとつの方向が示されるようになりました。
−それがコミュニケーション訓練−親業訓練講座です。

1979年に日本ではじめて親業訓練講座が開かれてから、
親業訓練の理念は親子間だけではなく、すべての人間関係に共通する
ということに基づき、現在では「自己実現のための人間関係講座」
「教師学講座」「看護ふれあい学講座」「ユース・コミュニケーション講座」が開かれています。

  ★ 親業訓練講座 ★
子どもの心を理解し、話の通じ合うあたたかい親子関係を
きずくことを、目的とした訓練です。

  ★ 自己実現のための人間関係講座 ★
まわりの人と、率直で、あたたかい、人間関係をつくりながら
生き生きと自分らしく生きるための体験学習をします。

  ★ 教師学講座 ★
教師と生徒の心の絆をつくる教育『教師学マインド』の確立を目指した
講座です。教師の意見を押しつけず、生徒の考えに流されることなく、
お互いを尊重し合える関係をつくります。

  ★ 看護ふれあい学講座 ★
看護・介護の現場で、あたたかい意志の通い合った人間関係に必要な
コミュニケーションは『ふれあいマインド』です。

  ★ ユース・コミュニケーション講座 ★
学校での対立解消のためのワークショップ

  ★ インストラクター養成講座 ★
親業訓練インストラクター養成講座


  ★ 中井喜美子先生の無料説明会 ★
お問合せは 090−8088−7922 まで


<親業訓練協会のHP>
「親業訓練協会」


<中井 喜美子先生の著書>

cover
看護ふれあい学講座―具体例で学ぶコミュニケーション訓練



<中井 喜美子先生の訳書>

cover
ゴードン博士の親に何ができるか「親業」







インタビュアー:下平沙千代
下平沙千代
ワクワクセラピー☆ソースで、一緒にワクワクしましょう!
日本一やさしい介護タクシー開業準備中です。賛助会員募集中!

ワクワクセラピー ソーストレーナー、NLPセラピスト
レイキヒーラー、導引養生功指導員、成年後見人講座受講中
トラベルヘルパー、ホームヘルパー2級、女性タクシードライバー
斉藤一人さんの全日本バンザイ連盟正会員
ブログ:『幸せを運ぶワクワクセラピー ソース』


インタビュアー:Rico Bonafede(リコ ボナフェデ)
リコ ボナフェデ
セラピスト
『五感が喜ぶカラフルマインドな毎日』をテーマに活動中。

以心伝心の文化を離れて暮らしたことから、
コミュニケーションのあり方と、
言葉そのものが持つ不思議なエネルギーに魅せられ、
そこに潜在意識と色を絡めたセッションを行なっています。
おしゃべりブログ:「やっと逢えたね♪」


インタビュアー:志田祐子
志田祐子
志田祐子です。
臨床心理士の方との出会いをきっかけに、心理学を学び始め、
色々なご縁があって今は心理カウンセラーを目指しています。

心に悩みをもった人の少しでもお役にたてるよう、
五感を使って癒せる心理カウンセラーになれるよう、
日々試行錯誤です・・・。



インタビュアー:脇坂奈央子 (日本メンタルサービス研究所 所長)
脇坂奈央子
『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
発行メルマガ:こころの栄養@さぱりメント



運営管理:ラポール☆脇坂奈央子





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