恋愛相談 カウンセリング



おすすめメールマガジン
「こころの栄養@さぱりメント」
手軽にできるストレス解消法など、読むだけであなたのこころが元気になるメルマガです。

メールアドレス:

名前(ハンドルネームOK):





カウンセラーの探し方

カウンセラーを探す

メールマガジン

カウンセラーインタビュー集

カウンセラー登録

訪問販売法による表記

リンク集・相互リンク

お問い合わせ

■カウンセラーを探す
あなたの悩みを解消するカウンセラーを紹介します。

カウンセラー検索




さぱりメントへのリンク、バナーの使用はご自由にどうぞ




あなたのそばにいる「こころ達人の横顔」 インタビュー集


カウンセラーやセラピスト、セミナー講師など「こころの現場の最前線」で活躍されている方の横顔を紹介します。

 ・カウンセラーってどんな人なの?
 ・カウンセリングって、どうやって受けるの?
 ・私も将来カウンセラーになりたいのですが・・・
 ・・・などなど


「こころ達人の横顔」をインタビューしてきました。
あなたにとって、カウンセリングやセラピー、ヒーリングがもっと身近になれば幸いです。

- 百武 正嗣さん ゲシュタルトネットワークジャパン -

   「ゲシュタルト療法に、フェルデンクライス・メソッドを取り入れて」

2010年 12月 18日


今回のインタビューは、日本ゲシュタルト療法学会理事長、
ゲシュタルトネットワークジャパン(GNJ)理事長の
百武 正嗣(ももたけ まさつぐ)さんです。(「先生」はNGだそうです)

百武さんは、ゲシュタルト、フェルデンクライス・メソッド、ヨーガを
取り入れた「気づきのセミナー」を全国各地で開催されています。

GNJは、精神分析医 フリッツ・パールズの直弟子の
故ポーラ・バトム女史が日本で広めたゲシュタルト療法のアプローチを
引き継いで、「今ここでの気づきの流れを体験すること」を基本に、
ゲシュタルト療法を深め、ネットワークを広げる活動を行っています。

自分の身体感覚や感情、気になることや未解決の問題などに焦点を当て、
自分自身に気づきを向け、「今ここ」での体験を通じて完結し、統合していく
ゲシュタルト療法について、百武正嗣さんにお話をお伺いしました。


言葉よりも、体で表現していることの方に真実がある
インタビュー写真




「百武先生・・・」

「百武さん」と呼んでくれる? 上下関係を作る言葉は使わないようにしたいので。(笑)


「では、百武さん、ゲシュタルト療法をやろうと思われたきっかけは?」

アメリカの大学院を卒業して、予防医学協会にいた時に、ゲシュタルト療法を作ったフリッツ・パールズの直接の弟子のポーラ・バトムという方が日本に住んでいたんです。

たまたま、ポーラ・バトムさんのワークショップがあるのを知って、行ってみました。彼女のやり方を見て、これならやりたいと思いました。それでゲシュタルトを始めたのがきっかけなんです。


「最初にやったワークを覚えていますか?」

ポーラが最初にやったワークが、父親とのワークだったんですね。

僕の父親は大きい企業にいて、アル中に近い酒飲みだった。毎日酒を飲んで、暴力を振るうのではなく、寝てしまう。交番から電話がきて、母が僕を連れて引き取りに行くことも何回かあった。父親は酒を飲み過ぎて、僕が20歳の時にガンで死んでしまいました。

そういうのを見ていて、酒は飲むまいと思っていたし、大企業で働くのは嫌だ、父親みたいになりたくない、組織の為に一生懸命にやったり、その不満を酒でごまかす人生は送りたくない、と。その気持ちはゲシュタルトをやるまでずっとあって、サラリーマンは嫌だと思っていました。


「ポーラ・バトムさんのワークで、それが楽になった?」

その時に、ワークをして父親の墓と対話しました。人が周りに一杯いたけれども、その前で泣いて、自分の人生の報告をしたんですね。「小さい娘ができました。今度お父さんの墓に連れて行きます」そういうワークをしてから父親との葛藤がなくなった。

父親みたいになるまいっていう意識がなくなってきました。「お父さんにはお父さんの人生があった。だから僕は囚われなくていい」。おかげで毎日お酒が飲めるようになって。そういう意味では楽になりました。


「ゲシュタルトに深く入っていかれたのは、そこからですか?」

ポーラのやり方からです。すごく気に入りました。ゲシュタルトは、かなりストレートな関係で、「あなたは何を本当はしたいの?」みたいな問いかけが強いのですが、彼女はとてもソフトだったんですね。

その人がやりたいことに気がつくのをずっと待っていて、すごく受容的だったんです。そういうやり方ならいいかなぁと思いました。

ゲシュタルト療法というのは、マニュアルがない。やる人のスタイルというのは全部違うんですよ。基本的にゲシュタルト療法っていうのは、気づきということに焦点を合わせていきます。気づきというのは無数な出来事があって気がつくのであって、1つの方法で気づく必要はない。


「ゲシュタルトの3つの“領域”とはなんでしょうか?」

フリッツ・パールズはゲシュタルト療法の気づきを、3つの領域に分けたんですね。

3つの領域というのは、1つは思考領域。脳の機能です。脳の機能は物事を解釈したり、論理的に分析したり、これが良いとか悪いとかを判断したり、あるいは過去のことを思い出したり、将来のことを分析、予測できます。

脳の機能は大事ですが、脳の機能に頼りすぎていることに問題があります。脳で気がついたことは、実はその人自身のものでないことが多いのです。

頭はこれが正しいという情報を得る機能で、良い悪いを分析しますが、それは自分の考えというよりは、社会の価値観でもあるわけです。

ダイエットで、その社会が痩せている方が女性はきれいだという価値観があれば、「望んでないけれど、痩せなきゃいけない」と思うのですね。自分は食べたいかもしれない。そうすると頭で考えた理想像と、実際の体とは分離してるでしょう?

そこでフリッツ・パールズは脳の機能としての思考の気づきと、実際に今自分が持っている体を分けた。脳でこれが良いとか解釈している世界と、実際に自分達が今この瞬間生きている体の世界と、2つに分けたわけです。


「体の領域とはどういうものですか?」

実際に自分の体で何が起きているのか、自分の体に意識を向けてもらう。体というのは、脳の機能より、もっと知恵があるわけです。

例えば、おなかがすいてる時は、おなかがすいてるかどうか考えなくても何か食べにいきますよね。今自分が必要なことは、体の機能でわかります。

実は、体で感じていることの方が、ずっと進化の歴史の中でも大事なんです。自分が感じていることとか感情とか、心も体にあって体で感じる。あたかも全て脳の機能だという風に思っていますが、実際は体で感じることが大事なんです。

人を愛さなきゃいけないって、誰かから脳で教わる。小さい時から、「女の子だから優しくしなさい」とか、「男の子が泣いちゃいけません」と教わる。

でも悲しいとか嬉しいというのは、そういう社会の価値観とは関係なしに起きるんです。その時に、嬉しい、悲しい、さみしい、そういう感覚を頭で逆に止めてしまう。そういうことを脳の機能はするのです。

ゲシュタルトはその時に「本当は体で何を感じているの?」って、そこを見ていく。現代人は体の声を大切にしていない。そこに意識を向けるのです。


「気づきの領域というのはどんなものですか?」

3つ目の気づきの領域というのは、自分の皮膚の外の世界。この皮膚の外の世界が現実です。現実の世界は、基本的にただあり続ける世界なんです。

例えば、テーブルというのは、僕がいなくてもテーブルだし、天気は僕がいようといまいと晴れたり曇ったりする。同じように人も僕がいようといまいと、その人はその人で生きていく。

僕っていう生き物が生きていくためには、現実の世界に意図的に関わりを持たないと生きていけないのです。例えば、おなかがすいたと体で感じて、おいしい蕎麦屋に行こうと決めても、現実にコンタクトしないとおなかは一杯にならない。

目の機能で見る、耳の機能を使って音で聴く、皮膚で何かに触れて気がつく、食べる場合は味覚で気がつく、匂いで気がつく、この五感を使っている時だけ現実にコンタクトしている。

現実にコンタクトしている時は、自分が何をしたらいいのかという事は迷わない。答はそこから出てくるわけです。五感を使って現実にコンタクトしている時は問題が起きないんです。問題が起きるのは、頭で作り出した現実について何かを想像している時なんです。


「3つの領域を意識することの意味は?」

ゲシュタルトでは、瞬間瞬間、3つの領域のどこに自分の意識が行っているか分けていきます。普段は早く切り替えているので、あたかも同時に、考えて感じて、現実に触れていると思っていますが、1回に1つの領域しか行かない。

意識が3つの領域に、必要な時に自動的に切り替わったり、自分で意図的に自由に切り替えられる状態が健康な状態なんです。

でもほとんどの場合、現代人は人生が長くなると、あるパターンを持ってしまう。思考タイプの人はいつも頭で考えて、これは正しいかどうかと考えます。

日本人は真面目だから、信号が青でないと、車が通ってなくても待っているじゃないですか。逆に言えば、「車が来ていないのだから渡ってもいい」という現実を、無視している生き方なんです。

信号だけではありません。人生の中でいろんなことが起きる。頭で教わった「こういうことが正しい」ということ以外のことがいっぱい起きます。その時に自分がしたいことをすれば、問題は解決していくんです。

でも、その時にしたいことをしないことの方が多い。すると、どんどん現実から遊離していくのです。現実から遊離すればするほど、また頭で現実を理解しようとするので、さらに遊離してしまう。


「ゲシュタルトはそこを繋げていこうとするのですか?」

ゲシュタルトでやろうとしているのは、「あなたは本当は何を感じているの?」「何をしたいの?」「心の中に何が起きてるの?」、そういうことに向き合っていくことです。それを感じたとしたら、それを現実で行動することで解消していきます。

感じるだけでも駄目です。感じたものを、現実の中で表現するなり、現実で何か行動するんです。

気づきというのは別の表現で言うと、必要なことに焦点を当てるか、焦点が当たって自分が何をしたいか明確になったことを現実との関係で起こした時に、完結していきます。

例えばすごく悲しい時に、悲しみと同時に涙が溢れてくるわけですよね。涙が溢れて泣いた時に、初めて人間っていうのは悲しみを癒していくことができるわけです。

でも、「私は悲しくありません」「男だから泣いてはいけません」と、それを体の中にしまいこんでしまうと、それはエネルギーですから消えないのです。

それを閉じ込めてしまえばしまうほど、現実の人間関係の中で、それに触れてしまう人間が現れる。怒りを抑えているとしたら、怒りを引き出す人間が必ず現れるのです。そうすると過剰に怒る、あるいは過剰に抑えるんですね。

そうする代わりに、心も体も同じものと見ていれば、体で表現していく。それで、体で表現している本音に言葉が一致していれば、その人は本当に自分自身が統合されていると見ます。

また、我々が思考で作り出してしまった「自分自身」は、実はあなた自身ではなくて、社会の価値観か、家族や親の価値観の鵜呑みになっていると見ます。それは咀嚼できていないから、もう一度、本当に「あなた自身は何をしたいの?」って聞いていきます。


インタビュー写真




ゲシュタルト療法に、フェルデンクライス・メソッドを取り入れて


「ゲシュタルト療法とは、こういうものだというものを教えていただけますか?」

ゲシュタルトでは、その人が言葉だけじゃなくて、その時に何を本当は表現していたかという非言語的な身体表現にも価値を置きます。

人間は本当のことを言わないことが多い。でも、体というのはいつも必要なことを表現します。ですから、言葉よりも体で表現していることの方に真実があるという風に取るわけです。

「私は辛くありません!」と言ったとしても、唇がへの字をしていたとしたら、「唇のそのへの字はなんて言ってるの?」って聞きます。体はいつも正直に、その瞬間瞬間必要な事を表現しています。いつも体は、自分が本当に必要なことを表現したがっているし、しているわけです。

それから、ゲシュタルトの特徴は、心や感情と言われているものに関して、あるいは人間行動に関して、良い悪いという立場を取らないということです。

例えば、我々は「憎たらしい」とか思ったりする。そう感じるとすぐに、「そう感じている自分はダメだ」と思ってしまう。でも、ゲシュタルトでは、そういうものをネガティブな感情として捉えない。むしろ必要な感情、必要な感覚として見ます。


「感じていることには意味がある?」

我々が感じていることは、全て必要があって獲得してきた感覚なんです。水が足りない時に、ノドが渇いたという感覚がなければ、人類は生きてこられなかった。

同じように、心も、イライラしたり、不安になったり、あるいは怒りだったり、人を蹴飛ばしたくなるような衝動であったり、というのはネガティブなものではない。むしろ、自分が今、どういう関係にその人とあるのかというのを教えてくれるのです。

ある特定の人間に対して、苛立ちを持ったり、憎しみを持ったとしたら、それは悪い感情ではなくて、その人との関係がそういう関係なんだっていうことを教えてくれている。

そういう感情が湧いてきた時に、我々は何をしてしまうかというと、「その感情を持っている自分が悪い」、あるいは、「湧いてきた気持ちを見なかったことにする」ことにエネルギーを注いでしまう。

そこに問題が起きてしまうわけです。感情や感覚というのは関連しています。ある特定のものを抑え込んだとしたら、嬉しいっていう感情も同じように抑え込んでしまう。別のものだと思っているかもしれませんが、1つのものなんです。

悲しみが対極にあったら、喜びが反対側の対極にあるかもしれない。でも、それはある側面から見ている。違う角度から見たら1つのものかもしれないですよね。


「そのまま抑え続けるとどうなりますか?」

ある感覚を抑えてしまうと、他の自分がポジティブだと思っている感覚も抑えられてしまう。ですから、どんどん抑え込んでいって、自分の世界が小さくなってしまう。自分を抑えることにエネルギーを使ってしまうんです。

感じないようにすると、そこに意識が行ってしまうから、20%抑えたら残りの80%で現実に触れるわけだから、現実に対して満足感が起きない。あるいは、完全なコンタクトができていないから、十分な自信が持てないわけです。多くの場合はそれが起きていますね。


「現実に100%触れていくということですか?」

悲しいんだったら十分に泣いてみる。悲しいということを十分に表現して受け入れれば、そこで抑えるエネルギーが終わるので、100%現実に触れることができます。これが、ゲシュタルトがやろうとしている1つの特徴だと思います。

感じていること、考えていることを含めて、全て「今、ここ」で自分がしていることに、良い悪いはない。それはOKということです。

「今、ここ」というのは、ゲシュタルトのもう1つの特徴です。気づくことができる世界は「今、ここ」なんです。

思考だけが過去を思い出すことができますが、それは「今、ここ」ではなく、過去の出来事です。なぜ、「今、ここ」に焦点を当てるかというと、ゲシュタルトでは「未完了」という言葉があります。「未完了」なものは、過去のものではなくて生き続けます。

そのことに十分に触れることができなかった、あるいは十分に表現できなかった場合は、それが未完了な感覚として自分の中に残ってしまうんですね。そうすると、理由はわからないけれど、人が沢山いる所だといつも緊張してしまう、とかなってしまう。

十年前とか二十年前のことなので、本人の意識にはのぼっていないのです。でも、沢山の人の前にいくと必要以上に緊張しているとしたら、それは未完了な何かが「今、ここ」で動いているわけなんです。

ある特定の上司が怖いとかいうのは、もしかしたらその人が怖いのではなくて、まだ処理されていない経験、未完了なものが関係していて、それが引き出されるとゲシュタルトでは取ります。


「どうすれば、それが解消するのでしょう?」

ゲシュタルトでは、過去の原因を分析しません。する必要がないのです。

「今、ここ」で自分に何が起きているかということに意識を向けていけば、未完了なものは「今、ここ」で未完了だとサインを出してくれています。その未完了なことに意識を向けていくと、ある場面のイメージが出てくることが多いのですね。

ぱっと小学校の時にいじめられた場面が出てきたり、突然押入れに入れられてお父さんから怒られた場面とかが、必然的に出てきたりします。ちょうどそれは、体が解決したいって言っているサインでもあるわけです。

その時に、「今、ここ」で未完了なことを、安全な場所、安全な人間関係で、もう一度表現することで、初めてそれは済んだことだと納得できるのです。囚われなくなる、楽になるということです。


「未完了なものは、どなたも持っているのでしょうか?」

みんな持っています。未完了なものを持っていない人はいません。気がついていればいい。気がつかなければ、そのことを「なんでだろう?」と思ってしまう。

でも気がついていれば、自分がどうしたらいいかというのを自分で決めることができます。気がつかないと選択ができません。


「選択するというのはどういうことですか?」

例えば、理由がわからないけどイライラするとします。部下に当たったり、家族に当たったり、友達に突然切れたり。未完了なものがあることに気がつかなければ、ただ怒りの感情が上がってくるということにしか気がつかないですよね。

「本当の未完了な怒り」は何かということに気がつけば、怒りを出すか出さないか、選択できるようになります。今、目の前にいる人に怒っているわけではないことに気がつくことができます。


「ゲシュタルト療法の面白いところというのはどんなことですか?」

病理的なことだけじゃなくて、健康な人には、実はゲシュタルト療法が非常に役に立つ。健康な人間ほど、創造的な気づきがあります。

仕事だったら自分がどういう仕事をしたいかというのに気がつくことができる。芸術だったら自分がどういうことに興味があるのかということに気がついていくこともできる。今自分が求めているものは何だろうってことに気がついていくことができる。

人間関係だったら、自分がどういう人間関係を築きたいのかということにも気がつくことができる。ですから、気づきというのは、むしろ健康な領域の方が大きいのです。

いろんなことに活用できます。人間関係にも活用できるし、自分の体や病気、症状と対話するということもできます。それによって、症状が緩和されたりということが起きます。

体が表現している何かに気がついていくことで、表現していた症状が消えてしまう。別の表現をすると、症状は何か必要があって体が表現している自分の気がついてない部分である、ということです。


「百武さんは、フェルデンクライス・メソッドもやっていらっしゃいますね?」

はい。フェルデンクライス・メソッドというのは、フェルデンクライスというユダヤ人の学者が作ったんです。体の動きを通して、体のバランスを取り戻していく手法です。

彼は、自分を治すと同時に、体に意識を向けるフェルデンクライスというメソッドを作り出しました。それはゲシュタルトで言う「気づき」と全く同じ視点なんです。

ただ、フェルデンクライスの場合は、精神世界に一切触れない。体の筋肉の動きだけに意識を向ける。そこの緊張に意識を向けて、アプローチすることに焦点を当てたのですね。

ゲシュタルトはそれを、心と体と両方の側面から何が起きてるかに気づいていく。それで、囚われていたものを解放していきます。

フェルデンクライスは、自分の体を使いながら、その緊張に気がついていけばその緊張を自分で取ることができると知った。意識化が十分にされていないから、緊張が残ってしまうのだと。そういう意味では同じなんですね。

気がつけば、その緊張は取っていける。緊張を取っていくと何が起きるかというと、今度は自分が怖いと思っていた環境が怖くなくなる。体も心も十分に緊張を受け入れることで、その緊張を外すことができる。問題が解決するのです。


「ゲシュタルトとフェルデンクライスを組み合わせていらっしゃるのですか?」

そうなんですよ。ほとんど同時に始めて、僕にとっては両方同じもの、同じことをしていると思っています。ゲシュタルトとフェルデンクライスという区別はありません。1つのものとしています。

ゲシュタルトのワークでフェルデンクライスを取り入れると、その人の体の微妙な表現がもっと理解できるようになります。それはフェルデンクライスの、微妙な動作をただ意識的に繰り返すことをやってきたからなんです。

手を繰り返し同じように動かすとか、そういう体の微妙な感覚を、動きを通して非常によく理解できる。その人の中で何が起きているかがわかりやすいです。


「ゲシュタルトとフェルデンクライスを組み合わせようと思ったきっかけは?」

アメリカから日本に帰ってきたのですが、日本が合わなかった。それで体調を崩したんですね。心理的な症状は全部出ました。それがきっかけです。理由ははっきりしていました。僕は日本の社会に合わなくなっているだけ。

自分で治す方法は何だろうと考えて、ヨガがいいかなと思った。ヨガをやっていたら治っていった。それで、身体を使って心理療法をやろうと思って、ゲシュタルトをやろうと思ったんです。

ゲシュタルトをやるのと同時に、フェルデンクライスに出会った。身体の緊張を取って、身体を使って自分の気づきを高めるもの、両方同時に見つかったので、良い出会いだったと思います。これをやると最初から決めましたね。


「今の活動は、ワークとファシリテーター育成と両方をやっていらっしゃる?」

日本ゲシュタルト療法学会というのを2010年7月に立ち上げました。そこの理事長をやっています。

少し前に、NPO法人 ゲシュタルトネットワークジャパン(GNJ)を作っています。そっちはワークショップ中心です。そこの仲間と一緒にもっとゲシュタルトを広めたいと思っています。


「先生の今後の夢や展望は?」

夢は、学会が学会として成り立ってほしいですね。ゲシュタルトは学術的ではなくて、体験的なタイプが多いので、もっとアカデミックな層の人達と一緒にできるような場になってほしい。これは、5年10年かけてそうなっていくと思います。

個人的には年に1回か2回は海外に遊びに行きたいと思っています。今、海外でワークショップをしているので、そういうのが広がってほしいと思っています。


「先生のワークに来てほしい方というのはどんな人ですか?」

中年のおじさんに来てほしいですね。中年のおじさんはかわいそう。がちっとしか生きていけない人が結構多い。がむしゃらにやることはできる。頑張ってやることには慣れているけれど、楽しむことができない人が多い。

中年の男は頑張って、我慢してやっと課長になれそうと思ったら、会社が潰れたりリストラになったり。今ものすごく多いですからね。そういう意味では、あまり1つの組織に依存しすぎないでほしいと思うし、もっと自由になってほしいなという気がします。

あとはね、何か個性的なことをしている人に来てほしい。問題を抱えているのではなくて、何か個性的なことをやってる人が来てくれると、もっと先が見えるというか、自分のやりたいことがもっと明確になりますよ。


「悩みを抱えてらっしゃる方へのメッセージがありましたら、お願いします」

悩みを抱えているというのは、たぶん新しい出発点のエッジにいる。そこをクリアできたら、新しい世界が広がるから悪いことではない。むしろ、悩みがないといって安全な世界にいるよりはいい。それは変化が無いわけですよね。

悩みがあるというのは、そこは何か自分にとってのサイン。無理矢理無視したり、無理矢理こじ開ける必要はないけれど、きっと、その先に何かがあると思います。


「辛さを抱えている方は、まず何をしたら良いでしょう?」

三つの領域のどこに、自分の意識が、一瞬一瞬行っているかということを意識してほしい。

悩みというのは、悩みという世界に振り回されている。でも、自分がどうしてそこに意識が行っているのかということに気がつけば、違うところにも意識が行くわけです。そこに意識が行っていることに気がつかないから、そこに居続けてしまう。

意識がどこに行くか選択できるように人間はできています。選択できる自分を取り戻せる能力は、みんな持っているのです。




<編集後記>

「今、ここ」を生きるとはどういうことなのか!
善い悪いはなく、起きていることが自分を映し出している。
そして、それは誰もが自分の中に持っている「未完了」の思いを
気づかせてくれるサインでもある。

言葉だけではなく、非言語のメッセージ、体の声に意識を向けて
いくことが、奥深くにある自分の感情に気づいていくことに繋がって
いるんだということを、インタビューを通して感じました。

自分の「未完了」の感情と向き合うというのは、勇気がいることです。

セラピストの在り方は、クライアントが自分自身の感情と向き合う
勇気をサポートしていくのではないでしょうか。
百武さん在り方が、それを物語っているようでした。



次回号「ポジティブ心理学は、その人の才能や強みにフォーカスします」→

←前回号「“いのちに寄り添うワーク”で、本当の自分と出会う」


インタビューTOP(目次)

-ご案内- 百武 正嗣さん ゲシュタルトネットワークジャパン


百武 正嗣(ももたけ まさつぐ)
              NPO法人ゲシュタルトネットワークジャパン理事長
              日本フェルデンクライス協会理事
              日本ゲシュタルト療法学会理事長

ゲシュタルト療法をパールズの弟子であるポーラ・バトム博士(Paula Bottome Ph.D) に学ぶ。
ポーラは1985年に来日し、ゲシュタルト療法を広めるためにGNPRを設立する。その事務局を引き受ける。2001年にポーラが亡くなった後を引き継ぎ、現在のNPO法人GNJをポーラの弟子である人たちと設立し普及に努める。
また、2003年から全国のゲシュタルトセラピストの連絡協議会を開催し、より広く一般へのゲシュタルト療法の普及を願い、日本ゲシュタルト療法学会を設立する。
中央大学理工学部卒。カリフォルニア州立大学大学院心理学科卒。


<NPO法人ゲシュタルトネットワークジャパン(GNJ)のHP>
【NPO法人ゲシュタルトネットワークジャパン(GNJ)】


<日本フェルデンクライス協会のHP>
【日本フェルデンクライス協会】


<日本ゲシュタルト療法学会のHP>
【日本ゲシュタルト療法学会】


<百武正嗣先生の著書>

cover
気づきのセラピー はじめてのゲシュタルト療法



cover
エンプティチェア・テクニック入門―空椅子の技法







インタビュアー:奥原 菜月

奥原菜月 フリーライター、占い&カウンセラー(奥原朱麗)として活動中。
夫と子供2人、犬1匹で横浜に生息中。

占い・カウンセリング・開運などをメインにしたブログ
『占いカウンセラー朱麗のまったり開運日記』

HP:アストロ・ハーティ「朱麗の占いカウンセリングルーム」



インタビュアー:鈴木明美
鈴木明美
セラピールームChildren主催、NPO Oasis 代表
いろんな環境に自分を合わせて生きてきて、自分がなんだか分からない。
そんな、うつ病や心の悩みを抱えた方のお手伝いをしています。

心理カウンセラー、NLPセラピスト(ゲシュタルト、エリクソン催眠療法、家
族療法)、交流分析士1級、トランスパーソナル学会会員、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren

インタビュアー:村上友望(ともみ)
村上友望
今は普通のOLをしながら、セラピストとして活躍できるよう勉強中です。
出会った方々の幸せな笑顔をサポート出来たらと思っています。

ヨーガセラピスト ソース公認ベーシックトレーナー
パステル和アートインストラクター ジュニア野菜ソムリエ
アロマテラピーアドバイザー キャンドルアーティスト
ブログ:http://ameblo.jp/ohisamakokoro/


インタビュアー:広江俊介
広江俊介
心のボイスレッスン 代表
都内で声と言葉をテーマにしたメンタルセラピー、
ゴスペル音楽による発音・発声のレッスン、自己表現力の磨き方を
指導しております。

現在、一般のビジネスマン、OL、カウンセラー、セラピスト、教師、
コンサルタント、俳優、声優の方まで多岐に渡り、教えております。
プロボイストレーナー、プロギタリスト講師
ブログ:『心のエバーグリーン。』

インタビュアー:脇坂奈央子 (日本メンタルサービス研究所 所長)
脇坂奈央子
『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
発行メルマガ:こころの栄養@さぱりメント



運営管理:ラポール☆脇坂奈央子





毎朝1分★天才のヒント



天才のヒント

Copyright (C) 2004 Japan Net Counseling Federation. All Rights Reserved.