恋愛相談 カウンセリング



おすすめメールマガジン
「こころの栄養@さぱりメント」
手軽にできるストレス解消法など、読むだけであなたのこころが元気になるメルマガです。

メールアドレス:

名前(ハンドルネームOK):





カウンセラーの探し方

カウンセラーを探す

メールマガジン

カウンセラーインタビュー集

カウンセラー登録

訪問販売法による表記

リンク集・相互リンク

お問い合わせ

■カウンセラーを探す
あなたの悩みを解消するカウンセラーを紹介します。

カウンセラー検索




さぱりメントへのリンク、バナーの使用はご自由にどうぞ




あなたのそばにいる「こころ達人の横顔」 インタビュー集


カウンセラーやセラピスト、セミナー講師など「こころの現場の最前線」で活躍されている方の横顔を紹介します。

 ・カウンセラーってどんな人なの?
 ・カウンセリングって、どうやって受けるの?
 ・私も将来カウンセラーになりたいのですが・・・
 ・・・などなど


「こころ達人の横顔」をインタビューしてきました。
あなたにとって、カウンセリングやセラピー、ヒーリングがもっと身近になれば幸いです。

- 倉成 央 先生 メンタルサポート研究所 -

   「悩みは必ず解決します。だから、自分の力を信じて欲しい!」

2012年 01月 14日


今回のインタビューは、『凹まない生き方』『うつにならない言葉の使い方』
などの多くの著書でおなじみのメンタルヘルスコンサルタント
メンタルサポート研究所代表 倉成 央(くらなり ひろし)先生です。

倉成先生は、再決断療法の第一人者としても広く知られ、
ワークショップ、カウンセラー養成で、全国を飛び回っていらっしゃいます。

「心のこと、カウンセリングは大切なものなんだということを広げていきたい」
と、おっしゃる倉成先生から、
「再決断療法」の有効性や「感情処理」の大切さ、
カウンセラーとしての姿勢や、今後の展望についてお話を伺いました。


問題の根本である決断にアプローチして根っこから解決していく再決断療法

インタビュー写真




「先生は小さい頃はどんなお子さんでしたか?」

たぶん今で言う「多動」に当たると思いますが、授業の時に椅子に座っていることが困難でしたね。どちらかというと問題児の方だったと思います。

小さい頃は「何で自分は落ち着きがないんだろう?」と思うことが多くて、何になりたいということよりも、普通に大人になれるのかなと不安に思っていましたね。


「経営学科に進まれたのですよね。ビジネスに興味をお持ちだったのですか?」

学校で適応が良くないので、勤め人ができないかもしれないし、自分で会社でもやった方が良いんじゃないかと思って経営学科に進んだんです。将来的には経営側になろうと思っていました。

卒業後は、経営コンサルタントとして会社に6年ぐらい勤めて、それから脱サラして独立しました。1年経った頃に、もう少し別のビジネスをしようと思って、コンサルタント業は他の人にお任せして飲食ビジネスを始めたんです。

実はそのコンサルタント業をやっている頃に、初めて再決断療法のワークを受けたんです。


「それはどのようなきっかけで?」

友達から誘われました。その頃、企業で研修をやるために交流分析の勉強はしていたんですが、アメリカにいた友達が「本当に性格が変わるカウンセリングがあるけど受けてみる?」と教えてくれたんです。

そんな適当な話がある訳がないと思いながら眉唾で受けたのが、再決断療法を考案したグールディング夫妻のワークショップだったんです。


「再決断療法のワークショップに参加されて、第一印象はいかがでしたか?」

インチキ臭いなと思いました。何か買わされるんじゃないかと思いました。確か20〜30人くらい参加していたんじゃないかな。それがみんな妙に盛り上がっていてね。

でも、せっかく行ったので、自分も手を挙げて真っ先にワークを受けたんです。当時は罪悪感が強かったので、人が怒られているのを見ても自分が悪いような気がして。その罪悪感を無くしたい、というようなワークを受けました。

15分くらいのワークだったと思います。ワークが終わって、気持ちはずっと楽だったんですね。

1か月くらい経った頃でしょうか、友達から「倉成、最近『ごめん』っていう口癖が無くなったね」と言われました。そういえばあれから罪悪感が無くなったし、「僕、そんな口癖あったの?」って思って。それから、再決断療法にのめり込んで行ったんです。

その頃はまだ趣味としてやっていました。自分のため、自分を変えるための趣味として。仕事は仕事として本業を続けていました。


「では、個人的興味から再決断療法に入って行かれたのですね?」

そうです。自分がどんどん楽になるためのものがあるんだと思って。カウンセリングを受けていくと、勉強もはかどるようになるし、対人関係の苦手意識もなくなって人付き合いが楽になってくるし、良いこと尽くめだったので、自分のためにどんどんのめり込んで行きました。

その時はまだカウンセラーになりたいとは思っていなかったんです。


「ご自分が楽になるという実感がおありだったのですね?」

かなり、ありました。それ以前は人が苦手だったので、お客さんと会うことがしんどかったんです。コンサルタント業というのは、企業の経営者や幹部社員と会わなければいけない仕事ですが、対人関係が苦手だったのでストレスが強かった。

強いストレスを頑張って克服していたという感じだったんですけれど、再決断療法に出会ってからは、辛さは随分減ったような気がしますね。今は人と会うのが全然楽ですもんね。


「その後、カウンセリングをお仕事にされたのは、どういう経緯で?」

飲食業をスタートして2年目には従業員が150名くらいになっていたんですね。ただ、急成長したといっても借金だらけなんです。

2年過ぎた辺りから経営がうまくいかなくなって、店が火事になったり、いくつかの出来事が重なって、それから急激に経営状態が悪化して、黒字の店は多いのに資金繰りがうまくいかないという状態になって、4〜5年目には会社が無くなったんです。

その時は4つほど会社がありましたけれど、そうなると全部連鎖倒産ですね。金融機関にはたくさん迷惑をかけました。10億とか、返しようがないような借金でしたから、もうどうしようもなかったですね。日経新聞に大きく倒産が載りました。

当時はいわゆるベンチャーのハシリというか、若手経営者ということで持てはやされて、日経新聞にコラムを寄稿したり、「青年実業家の24時間」というドキュメンタリーに出たり、経営者向けの講演会に呼ばれたりと、ちょっと調子に乗ってた時期だったと思うんです。

その後しばらくは「ごめんなさい」ばかりだったんですけれど、それからやり始めたのがカウンセリングなんです。


「お一人で始められたのですか?」

それまでに勉強していた再決断療法の手法を使って、カウンセリング関係のスクールやカルチャーセンターで教えたり、自分で講座をしたりとか、そういうことを始めました。


「活動を始めて、最初はどんな感じだったのでしょうか?」

それが、瞬く間に広がったんですよ。最初は苦労した時代があって・・・と言いたいところですが、そうでもなくて。瞬く間に勉強したいという人が周りにどんどん増えていったんです。

講座に来た人達が希望してくださるので、ほぼ毎月のようにワークショップも開催していました。ずっと九州で活動していて、東京に9年前に出てきました。


「心理療法の他のアプローチ法と、再決断療法はどこが特に違うと思われますか?」

問題を解決するというところに、かなり直線的に行くというところが違うなと思いますね。


「再決断療法とはどんなことをするのか、簡単に説明していただけますか?」

自分が今、問題だと思っていることがありますよね。悩みであったり「自分はもっとこうなりたい」という思いであったり。

その「問題だ」と思っていることの原因は、ほとんどが小さい頃から今までの人生のどこかで、自分が取り入れたもの、決断したものなんですね。生まれつきの問題・遺伝的な問題を除いては。

「こういう状況では、こう考え、こういう感情を使う」という決断――例えば、人に構ってもらいたい時に相手を攻撃する、という人がいるとしたら「構ってもらえず悲しい時に、怒りの感情を使って相手を攻撃すればよい(振り向いてもらえる)」ということを取り入れている、決断しているんです。

私達は今までにいくつもの決断をして、決断した考え方や感じ方を繰り返し体験しているんです。

例えば、同僚が褒められているのを見たら自分はダメだと思い落ち込みを体験している人がいるとしたら、その人は幼少期に「兄弟が褒められている時に、自分がダメだと言われているような非言語的なメッセージを受け取り、そのように感じていた」ということを繰り返しているかもしれないということなんです。

その時に、「自分はダメなんだ」と決断している人が、その決断自体を変えるよう支援していく、その取り入れた決断をもう一度取り入れ直そう、というのが再決断療法です。問題の根本である決断にしっかりアプローチして根っこから解決していく、というようなものです。

決断が変わるということは、考え方や感じ方も変わるということです。だから、変化は割と自然に訪れますよね。そういえば最近こういう感覚をあまり持ってない、とか。そういうのが再決断療法の特徴かなという感じがします。


「具体的には、決断を変えるというのはどんな風になさるのですか?」

もう一度、小さい頃の決断した場面を再現して体験してもらって、その場面で「あの時はこの決断をしたけど、今後はこの決断をする」と決心してもらうんです。

例えば「自分はどうせ誰からも好かれないんだ」とよく思う人がいるとしたら、それを最初に感じたのはいつかというのを体験してもらうんですね。

小さい頃に、親から愛されてないと思った時にそう感じたのであれば、親が自分のことを愛していないと感じたその場面をもう一回体験してもらうんです。

そして、親が愛してくれないから、やっぱり自分は誰からも愛されないんだと自分で決めるのか、それとも、この親は愛してくれなかったけれども自分は愛される価値があるんだ、ともう一度決めるのかを選択する、再決断するんです。

そして、ポジティブで建設的な方を選択できたら、その人の感覚が変わるんです。


「その時に先生は、どういう介入や支援をなさるのですか?」

クライアントさんの気持ちに寄り添って、クライアントさんがポジティブな新しい決断ができるように勇気づけていくことをします。

「今まで自分は誰からも愛されないという決断を持ち続けたのは、とても辛かったね」と、気持ちに寄り添いながら、この辛い状況をまた続けていきたいか、それとも違うことを自分で決めていきたいかを投げかける形で介入していきます。


「体験するというのは、思い出す感じですか?」

いいえ。例えばひとつの方法としては、ゲシュタルト療法のように空椅子を使って、そこに両親がいて決断メッセージを受け取っているその場面に身を置いてもらうんです。

そして小さい頃の自分の気分とか感覚、言われた言葉ひとつひとつやその時の気持ちを、もう一度体験し直すような感じです。だから、思い出すというよりは再体験するという言葉が近いかな。


「いつ決断したかがはっきり分からない方もいらっしゃるのではないですか?」

そういう方もいますが、大抵は大丈夫です。大体いつ頃からその感覚を持っているかを探っていけば、大抵、決断の場面に辿り着きます。

似たような場面を人は何回か体験しているので、はっきりと「これが一番最初の場面だ」と言い切れるものが分からなくても再決断はできるんです。要は、決断した内容を建設的な決断へと変えることができれば良いのですから。



インタビュー写真




悩みは必ず解決します。だから、自分の力を信じて欲しい!


「なかなか再決断ができない方もいらっしゃいますか?」

それはそうですよね。もちろんいらっしゃいます。なかなか過去の出来事とお別れができない場合などはそうです。だからそういう人にはゆっくり時間を掛けて寄り添い勇気づけながら、再決断まで一緒に歩んでいくように支援します。

私が支援したクライアントさんで、「死にたい、死にたい」と言っていた人がいて、しょっちゅう自殺未遂をしていたんですよ。

その方は小さい頃に親から相当の虐待を受けていて、親に付けられた傷が身体にも残っていたり、親に殺されかけたことも何度かあって、「死にたい」という気分をいつも感じているんです。

カウンセリングの時に「あなたが自分なんかいない方がいいと最初に思った場面に、身を置いてください」と言ったら、その人は親から殺されかけた場面を描写し始めたんです。

親から殺されかけるような目に遭ったら、自分なんて生まれてこなければよかったと誰しも思いますよね。だからこそ、そう決断した場面なんでしょうね。その場面はあまりにも怖くて強烈で、その方はその日は耐えられなかったんです。怖さと向き合えなくて、再決断するどころではなかった。

そういうクライアントさんを二度、三度カウンセリングして、支えて、護って、そして怖さと少しずつ向き合って、「親のあなたは私のことを要らないと思ったかもしれないけど、私は要らない人間じゃないんだ」という力強い再決断をするまでにやっぱり少し時間は掛かりました。

でも多少時間は掛かったかもしれないけれど、その方は最終的には力強く再決断をしていったんです。それから数年たってその方が私のところに遊びに来た時に、こんなことを言ったんです。

「私、昔はよく死にたいって言っていましたよね。実は、あれから死にたいっていう感覚は全く湧かないから、忘れてしまったんです。辛い目に遭っても、辛いとは思うけど、死にたいとか消えたいとは思わないんですよ」と。

だから、たとえすぐに過去の出来事とお別れして再決断できなくても、人はそれを出来る能力を持っているので、必ず乗り越えられるんです。寄り添って、しっかりと支えていけば、人は乗り越える能力を発揮出来るんですよ。


「必ず乗り越えられる力を持っている?」

どんなに自分の問題が深くて、どんなに自分の問題が辛くて、自分は絶対に変わらないと思っている人がいたとしても、それは間違いです。私はどんなに困難に見える問題であっても、人は必ず変わって乗り越えていけると思っています。

ワークショップでは、「何十回もカウンセリングを受けたけれど、解決できなかったという問題をどうぞ出してくれ。それが解決できていくということ、自分がそんなに力があるんだということをここで実感していこうじゃないか」と私は呼びかけています。

変わらない問題なんてない。そう私は信じています。何回もカウンセリングを受けたけれど変わらなかった問題が、ワークショップで変わった方もたくさんいますよ。


「人は小さい時に、自分にとって建設的でない決断をしてしまうことがあるわけですよね。それは何故なのでしょうか?」

それは、その時にはその方が都合が良いからですね。例えばお兄ちゃんばかり可愛がられる時に「何でだ?」と思い続けると苦しいじゃないですか。子どもにとっては、その時は「自分は大した価値のない人間だ」と思った方が楽なんですよ。

そうすれば、お兄ちゃんばかりが可愛がられるという現実にも対処ができる。そう決めてしまった方が楽な時がある。

だから良くない決断というけれど、実は子どもの頃には良かった決断なんです。それが時を経て今は良くない面、マイナス面が出てきているという意味合いだけなんです。

私はただ昔の決断を変えるというだけではなくて、昔の決断はとても良かったんだという思いの下に変えていきたいなと思うんです。この時はとても正解だったんだ、と。だから昔の決断を否定はしてほしくない。その時はOKだったんですよ。その決断がとても良かった。

今までその決断が自分を支えてきてくれたわけなので、過去を決して否定はしてほしくない。過去の自分に感謝ですよね。過去の決断というのは、決してネガティブなものじゃないと思いますね。


「恐怖症や精神的な疾患にも再決断療法は有効なのでしょうか?」

もちろんです。恐怖症の話をするならば、それこそ高所恐怖症や水恐怖症の問題をグールディングは20分で解決していました。私も高所恐怖症はグールディングのワークで解決した一人です。

でも実は恐怖症だけでなく、最近増えている鬱などにも再決断療法はとても有効なんです。

ある精神科のクリニックで、鬱の患者さんに再決断療法だけを行った場合と、薬物療法だけを行った場合を、5年かけて比較したんです。その結果を見ると、再決断療法は薬物療法と比べて何ら遜色がないどころか、むしろ効果が高いぐらいだというデータが出ているんです。

さらに、カウンセリングや薬物療法が終わった1年後まで追跡調査をしてみると、再決断療法を受けた人というのは良くなる一方だというデータが出ている。こんな風に見ていくと効果は高いですよね。こういったことをそのうち論文で出そうと思って執筆中なんです。

カウンセリングをやっている人には、カウンセリングが「効く」とか「効果がある」と体験的に言葉で言う人が多いと思います。だから理論だといってもそれを検証するものが無い。私はカウンセリングを世の中に広げるためにはそういう段階から脱出しなくてはいけないと思っています。

着実に研究を重ね、そしてきちんと発表して、カウンセリングの効果というものを世の中に広げていきたいと思っているんです。


「ご著書の中で『インナーメッセージ』という言葉が出てきますが、これは先生のオリジナルの言葉ですか?」

「再決断」とか「禁止令」とか「決断」という言葉を使わずに、簡単な言葉で説明したいと思ってインナーメッセージという言葉にしたんです。

今はまだ、本を出す時に「再決断」とか「決断」という言葉は使いたくないので。一般の人、普通の人が聞いて読んで理解できるような分かりやすい本を出したいんですよ。


「では、インナーメッセージについて教えていただけますか?」

禁止令に近い考え方です。つまり自分が小さい頃に取り入れたり決断したことを、本の中ではインナーメッセージと呼んでいます。

例えば「自分はダメだ」って考えがちな人が、表面的に「そんなことない。自分だっていいところあるんだ」って考えるのも悪くはない。でも、そうやって表面的に思い込もうとするのは結構努力が必要で、苦しくてきつい思いをするんですよね。

だからそれに代わるやり方として、そういう考え方はもっと昔から持っているはずなので、その過去の自分に「あなたは価値があるよ」とか「人っていうのはこうだよ」と、語りかけるようなイメージをすることで、インナーメッセージを書き換えましょう、と。

その方が楽に変わることができるんです。「今、苦しい思いをしている原因は、インナーメッセージにあるんだよ。だから、インナーメッセージに語りかけて、インナーメッセージを書き換えていきましょう」ということを言っているんです。

要は再決断療法の理屈と同じなんですけれど、それを自分で、セルフでやりましょう、ということを、本の中ではインナーメッセージの書き換えと呼んでいるんです。


「他にもオリジナルの言葉などはおありですか?」

そうですね。他には「感情処理」というのは完全にオリジナルですね。感情をスッキリさせる、悲しみ、怖れ、怒りなどの感情を吐き出していってスッキリさせようという考え方を取っていて、かなり力を入れて言っています。


「ではその感情処理について詳しく伺えますか?」

例えば、私達は悲しい出来事、怖い出来事、腹が立った出来事を、感情を出しても出来事は一緒なので、我慢していれば忘れると思って我慢したり抑え込んだりするじゃないですか。それがしばらくすると調子が悪くなったりすることがある。

それで、その時に出さなかった感情をもういっぺん吐き出してしまおうというのが、感情処理の考え方なんですね。

例えば、ある男の人に振られた女性が相談に来たことがありました。彼は結婚すると約束していたのに、ある日突然やってきて「他に好きな人ができた」と。その女性はすごく怒ったらしいんです。彼に部屋の物を投げつけたりして、出て行けってののしって。

それからしばらく経った頃から微熱がずっと続くようになった。37度何分という微熱が半年ぐらい続いて、お医者さんの紹介で来たんです。微熱が続いたのは半年ぐらい前からなんですけれど、彼氏と別れたのは2年前なんです。

それで、彼とのお別れの現場をもう一度再体験してもらって、怒りを沢山その人が表した後に「ちょっと試しに『私は悲しい』って言ってください」って言ったら、その人は「悲しくない!」って言うんですね。

僕が「悲しいっていう気持ちは感じませんか?」と尋ねたらボロボロ泣き出されて「こんな奴のために悲しいなんて認めたくない」っておっしゃるんです。

「そうやって自分を支えてきたんだよね。もう、いいよね? 今日は自分のために『悲しい』って言ってあげようよ」って言ったら、10分くらい泣かれていました。それは私流に言うと、悲しみの感情処理なんです。それで、翌日から熱が下がって平熱に戻ったんですよ。

感情は溜めるといろんなことが起きてくる。だから感情を吐き出していく必要がある、という単純な考え方なんですけれど、カウンセリングで「感情を吐き出す」という考え方はあまりしないんですよね。

私は、感情はちゃんと吐き出してしまおうという考え方を強く薦めていて、感情処理という言葉をあえて使っているんです。処理すると言うと、全部きれいにしてしまうような感じがするので。


「しっかり感じて、出すということですね?」

そうなんです。感情というのは、私は人にぶつけるものではないと思っています。一般的には、相手に言いたい気持ちがあったらハッキリ伝える方がポジティブだと考えられますよね。でも、私は必ずしもそうとは思っていないんです。

それよりは感情を溜めないようにすることが大事なのであって、例えばむかついたからといって相手にその気持ちを言えばいい、とは私は思っていないんです。溜め込んでいると良くないから、それは相手の見ていないところで吐き出しましょう、というのが感情処理なんです。

感情処理は相手に向けて行うものではなく、自分自身で行うものです。


「相手でなく、その方の問題なのですよね?」

そうですね。例えば相手に向けて感情を吐き出す、相手に対して腹が立つと直接伝えたとしても、スッキリしない人が多いんです。

相手に向けて怒りを吐き出すのは結構難しくて、攻撃や批判になってしまい、腹が立つ、という純粋な怒りではなくなってしまっていることが多いんです。だからスッキリしないことが多い。

相手に対して文句を言ったって、スッキリしないんですよね。だから自分で楽になる方法を考えたら、相手に文句を言うよりは自分でスッキリする。スッキリとなったもの勝ちだから、そう考えた方がいいと思ったんです。


「そのあたりの違い、相手への攻撃ではなく、自分自身の怒りの感情を出すのだということが少し難しいかと思うので、説明していただけますか?」

イメージで、例えば新聞紙で、誰も見ていないところでクッションを叩いて怒りを出すとするでしょう。その時に相手を攻撃しているというイメージではなくて、自分のお腹の中に怒りが溜まっていて、それを新聞紙を通して吐き出しているというイメージを持つんです。

あくまでも吐き出すんです。誰かに向けるんじゃないんです。そういうイメージなんです。僕のワークショップでは相手の空椅子を新聞紙で叩くのではなくて、怒りを消化するための別の空椅子を出して、それを叩いてもらったりします。


「今の先生の活動としては、カウンセラー育成が中心ですか?」

カウンセラー育成というほどのものか知りませんけれど、セミナーとワークショップですね。あとは、メンタルヘルスセミナーと研究くらいですね。メンタルヘルスも、メンタルヘルスをやりたいというよりは、カウンセリングや心のことに対する理解を広げたいということだけなんです。


「カウンセリングを身近に感じてもらいたいということですか?」

そうですね。まずは、広がっていって、何か将来的にうちができることが、カウンセリングの勉強をしている人達が関われるようなことが出てくればと思っているんです。


「先生が、このお仕事をされている上で大事にされていることは何でしょうか?」

私は、カウンセリングっていう仕事をどういうものだと考えるかが大事だと思います。

「死にたい」と訴えていたクライアントさんが、カウンセリングで自らが受けた虐待のことを語ると、虐待のことを思い出さなくてはいけなくて辛いだろうなと思って、ある日、「辛くない?」って聴いたんです。

しばらく間を置いてから、「でも、私は普通の生活がしたいんです。だから自分の問題を解決したいんです」ってその子が言ったんですね。私はその言葉を聴いて、実はすごくびっくりしたんです。虐待を受けて決断したことなのに、「自分の問題」ってこの子は言うんだって。

私とかは、ちょっとイライラした時も自分のイライラすら人のせいにするのに、この子は虐待を受けて決断したことを「自分の問題」って言うんだと思った時に、その子に対して、私は自分のことがすごく恥ずかしくなったんです。

その子と何回か会っているうちに、「あなたはちゃんと自分を見つめていますか?」「自分の問題に、自分のことにちゃんと向き合っていますか?」って言われているような気がしてくるんですよ。

それが続いていくうちに、「もしかしたら、この人ってクライアントとして私の前に現れているけど、実はそういう役割を担って、私の前に、何かを教えるためにクライアント役で来てくれた人かもしれない」って、そういう感覚すら持ち始めるんですね。


「クライアントさんが教えに来てくださっている?」

私は、カウンセリングってそうなんだと思うんですね。クライアントをカウンセリングするっていうのは、実は、カウンセラーはクライアントから学ばせてもらっているような気がするんですね。

だから、それを私は自分に問いかけていきたいなって思うし、このクライアントさんから私は何を学んでいるんだろうって、これは時々見つめ返していきたいと思うんですよ。

カウンセリングって、自分の成長の場でもあるんですよ。クライアントっていうのは、たぶん先生なんですね。そういう気持ちっていうのは、私はとても大事にしたいし、そういう気持ちを持ち続けると、間違ったことはしないんじゃないかと自分では思っています。

人間って弱いので「カウンセリングを受けてとても楽になった」とか感謝されると、ついつい鼻が高くなってしまったり、おごったりってあるんですよね。まるで自分が素晴らしいことをしているかのように錯覚する。

でも、相手が先生だという気持ちを持ち続けると、そこに陥らずに済むんじゃないかと思っていて、それをとても大事にしたいなって思っています。


「今、悩みを抱えていらっしゃる方へ、先生からのメッセージをお願いします」

悩みは必ず解決します。絶対に解決します。だから、自分の力を信じて欲しいです。


「今後の展望や夢を教えていただけますか?」

心のことに対する理解がどんどんと広がっていく世の中になって欲しいですよね。

私ができる夢とかいう話じゃないかもしれませんけれど、どんどん広がっていって、そして仲間としてやってくださっている方々が自分のやりたいことができる、カウンセラーをやりたいんだったら、カウンセラーができるっていう風になっていって欲しいと思いますね。

そういう人の活躍の場がどんどんと広がっていってくれたらいいなと思います。そういうことに、自分の残りの人生って言ったらまだ早いのかもしれませんけれど、残りはそういうことに使いたいと思っているんです。

心の問題がもっと認知されて、活躍の環境ができる。そういうことかな。そういうことに力を入れたいなと思っています。

最終的には、再決断療法が広がっていくと嬉しいんですが、今はまだそういう段階じゃない。まずは、心のことやカウンセリングですね。不器用なので、あまりいろんなことを追えないので、今はそれをやっていこうと思っています。




<編集後記>

再決断療法の第一人者として、全国各地で講座を展開されている
倉成央(くらなりひろし)先生。

ソフトでスマートな雰囲気で静かに語る倉成先生に、
「多動な子ども」「ベンチャー企業の若手経営者」「会社倒産」の
時代があったというのは驚きでした。

「人は必ず解決できる力を持っている」
「大事なのは諦めないこと」
「カウンセラーはクライアントから学ばせてもらっている」
「心の問題が認知され、カウンセリングが広がるように!」

倉成先生の、謙虚でありながらも力強い言葉の数々に、
大きなパワーと使命感を感じ、
「カウンセラーにできること」「カウンセラーのあり方」について
深く考えさせられたひと時でした。



次回号「あなたが自分のことを大事にすれば、人もあなたを大切にしてくれます!」→

←前回号「科学をベースに、絶対的な自己肯定感を伝えるコスモス・セラピー」


インタビューTOP(目次)

-ご案内- 倉成 央 先生 メンタルサポート研究所


倉成 央(くらなり ひろし)  メンタルサポート研究所代表
                  臨床心理士 メンタルヘルスコンサルタント

「再決断療法」の第一人者。
1963年、福岡生まれ。大学で経営学を学び、大手経営コンサルティング会社で経営コンサルタントとしての実務経験を積む。その後、大学院で臨床心理学を学び、臨床家としての実務経験を重ねる。現在は、経営コンサルタントと心理カウンセラーの両方の経験を活かし、精神科でのカウンセリングの傍ら、企業でメンタルヘルスの導入・定着に向けたコンサルティングや研修を行う。
日本心理学会、日本心理臨床学会、交流分析学会などに所属。


<倉成央先生のHP>
【倉成央 公式ウェブサイト】


<メンタルサポート研究所のHP>
【メンタルサポート研究所】


<倉成央先生の著書>

cover
震災の心の傷みを癒す方法



cover
うつにならない言葉の使い方



cover
いい人すぎて“結果が出せない人”のための問題解決術



cover
凹まない生き方







インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)
鈴木明美
セラピールームChildren主催、NPO Oasis 代表
いろんな環境に自分を合わせて生きてきて、自分がなんだか分からない。
そんな、うつ病や心の悩みを抱えた方のお手伝いをしています。

心理カウンセラー、NLPセラピスト(ゲシュタルト、エリクソン催眠療法、家
族療法)、交流分析士1級、トランスパーソナル学会会員、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren

インタビュアー:川崎綾子(かわさきあやこ)
川崎綾子
ゲシュタルト・再決断@府中「座★すわろう会」で活動中。グループの中で
お互いにサポートを得ながら、自分らしく癒されるセラピーをしています。
ペンギン好き。趣味はバレエです。

GNJゲシュタルト療法トレーニングコース修了
日本ゲシュタルト療法学会会員
NPO再決断カウンセリングジャパン会員
矢野惣一問題解決セラピスト養成講座(上級)修了
レイキティーチャー

インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)
脇坂奈央子
『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
発行メルマガ:こころの栄養@さぱりメント



運営管理:ラポール☆脇坂奈央子





毎朝1分★天才のヒント



天才のヒント

Copyright (C) 2004 Japan Net Counseling Federation. All Rights Reserved.