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 ・・・などなど


「こころ達人の横顔」をインタビューしてきました。
あなたにとって、カウンセリングやセラピー、ヒーリングがもっと身近になれば幸いです。

- 久保 隆司 先生 インテグラル・ソマティックス -

   「ソマティック心理学は、身体をアクセスルートとして心理の内面にアプローチする」

2013年 08月 31日


今回のインタビューは、「ソマティック心理学」の第一人者、
インテグラル・ソマティックス代表の久保 隆司(くぼ たかし)先生です。

先生は、米国留学後、様々な心理学や身体療法の統合的理解と実践を
目指して、ソマティック心理学(身体心理学)の研究・指導の他、
ビオダンサ公認ファシリテーター、ローゼンメソッド公認ボディワーカーと
しても幅広くご活躍中です。

心身のつながりを統合的に探究する「ソマティック心理学」の可能性、
今後の展望などについて、お話を伺いました。


ローゼンメソッドは、心身統合に向かう“二人称”のボディワーク

インタビュー写真




「ソマティック心理学について易しく教えていただけますか?」

ソマティック心理学(somatic psychology)は、身体心理学、身体心理療法と訳するができます。欧州では、ボディ・サイコセラピーと呼ばれることもあります。

そもそも、ソマティック・サイコロジーとは、身体を表す古代ギリシャ語のsoma(ソーマ)、魂、心を表すpsyche(サイキ)、そして、学問、論理を表す、logos(ロゴス)が組合わさった言葉です。人間を全人的に知るためには、心理だけでなく、身体だけでなく、その両方が統合された存在として理解することが不可欠なのです。

心身は一であるという観点から研究した心理学者は歴史的には稀です。これまでの、少なくとも20世紀の心理学の主流は“心理”、より限定して“認知”を見るだけで、十分とみなすことにしてきた傾向があります。

しかし、本来的に “心理”だけを抽出することは不十分ですし、不可能でもあります。近年、ソマティック・マーカー説、ミラーニューロン、ポリヴェイガル理論なども含め、神経科学の世界からも提唱されていますが、身体・情動・心理は、深く結びついているのです。


「身体・情動・心理は不可分なのですね?」

21世紀の心理学は、身体性を軽視することはもはやできません。世界は、既にその大きな流れの中にいるのです。そしてその流れは、日本にも少し遅れて、今、ゆっくりとしかし確実にやってきています。大きな流れ、枠組みを知ることは、旅行で地図を得ることと同じであり、歩んでいく方向を知るためにとても重要です。時には生死に関わります。

基本的な地図が頭に入っていると、あとは車で行っても、列車で行っても、歩いても、寄り道しても、ともかく日々前進して行くことになります。人生の貴重な時間を無駄にしないための1つの地図として、総説的な『ソマティック心理学』(春秋社刊)を、2年前に上梓しました。この種の著作としては、日本で初めてのもので、現時点で唯一のものです。世界的にもそれほどありません。

ソマティック心理学とは、身体、または身体感覚をアクセスルートとして、心理の内面にアプローチする心理療法の総称で、1つの学派や個々の手法を意味するものではありません。日本にも既に紹介されているものには、ハコミメソッド、プロセスワーク、バイオエナジェティックス、バイオシンセシスなどがあります。


「様々なアプローチ法があるのですね?」

これらは、ソマティック心理学の分野に属する学派といえるのです。フォーカシングやゲシュタルト療法、EMDRも、ソマティック心理学の親戚と言えるでしょう。最新の行動療法にも積極的に導入されているマインドフルネス系は身体感覚や瞑想を活用する点からみると、ソマティック心理学の流れと無縁ではありません。

そして、身体性を重視するということは、物理学的、生物学的な知見も重要なリソースにするということも意味します。最新の脳科学、神経生理学、生物学などが、比喩としてではなく、心理療法と直接的にリンクしてくるのです。

近代心理療法の祖のフロイトなんかも、元々神経学者で、ニューロンの研究をしていたんですね。精神分析学は生物学、神経生理学をベースにした面がある。しかし、百年前の生物学、神経生理学には限界がありました。フロイトの夢の実現が、今日、現実味を帯びてきたとも言えます。実際、ニューロ・サイコアナリシスという動きもあります。

これは前世紀的な、脳や脳内物質への素朴な還元主義的アプローチを意味しているのではありません。21世紀は統合の時代です。一面を的確に示す一つの観点として科学も取り込むというか、表裏一体であるということです。心と身体、主観と客観、個と集団といった多元的な見方を、統合的に捉えるという基本姿勢が要求されるんです。このことは、ソマティック心理学にとっても重要です。

ソマティック心理学は、心理と身体の統合をその目的とし、分離(解離)している人には、つながりの恢復を。ある程度達成している人には、さらなる高度な意識段階における心身統合を。心理療法や身体性のワークを通じて、それらの機会を提供する役割が期待されます。

心身の統合は、ボディ・マインド・インテグレーション:宗教的な境地では、身心一如ともつながるものであり、西洋ではボディ・マインド・スピリットの統合としても表現されます。ちなみに、スピリットとは、スピリチュアルな部分であり、精神性や霊性とも訳されますが、ここでは、とりあえず、現在の学問水準では不可知な霊妙・微細な特質やその働きとしておきます。

より細分化すれば、身体・感情・心理・精神性の統合であり、私は、韻を踏んで、身・情・心・神と表現しています。


「ソマティックの強みは、何でしょう?」

誰もが身体を持っているということです。違う部分もありますが、DNAも持ち出すまでもなく、生物的に共通するところが圧倒的に多い。ソマティック、もしくは身体性というのは、人種とか国境を越えて人類に共通する基盤なのです。もちろん、人類以外の生物とも共通する部分は多くあります。

そこを意識的、無意識的双方にアクセスするための重要な基盤、ベースキャンプにしている。毎回基本に返って、そこから、今・ここに積み上げていく。それが意識の発達なのか進化なのかわからないけど、探索すべき未来につながっている。適時、ベースキャンプに帰った時には、正しいかどうか、安全かどうかを検証してまたそこから旅に出発する。ベースキャンプが身体または身体性、すなわち、ソマティックです。

それを無視すると、妄想に行っちゃうわけですよ。根無し草です。その世界はその世界で面白いのでしょうが、長らくいると妄想の世界からは帰って来られなくなる可能性が高くなります。多くの先人同様、人生を無駄にしてしまいます。帰って来るルートをきちんと設定しないといけません。

一般に言われる主観性や内的世界は非常に重要ですが、ともすると、ちっぽけな独我論に取り込まれてしまう危険性があるということも意識していなければなりません。ソマティック心理学/心理療法では、常に主観性と客観性とのバランスを見て行きますので、迷走することを防げます。

いいかえれば、一人称的な内面的な気づき、二人称的な共感、三人称的な身体的現象/システムという三つの人称の観点からバランスよく、無理なく統合的に見ていけるところに、ソマティック心理学の強みがあると言えます。


「ご自身は、今はセラピーをやっていらっしゃるのですか?」

ええ。個人セラピーも続けていますが、セーブしています。その他にも、ローゼンメソッド・ボディワークやビオダンサ、執筆活動、レクチャー、勉強会、研究会、さらなる自身の学びなど、心身統合的な考えや、広義のソマティック心理学の領域を、少しでも世の中の多くの人達に知ってもらうため、今、並行してやることが多くあるからです。

器用な人間ではないので、とても時間が足りず、その時々で自分がなすべきことは何かを考え、時間配分を最適に調整しようと努力はしているのですが、大変です。

命がけでひとつのテーマに専念しているわけですが、非常に大きなテーマであるがゆえに、多角的、多元的な研究と実践が必要となってきます。外からは、色々なことを、もしかしたら雑多なことをやっているように見えるかもしれませんが。


「セラピーは、一対一でなさるのですか?」

そうですね。心理カウンセリング、心理療法という意味では、一対一のセッションをカウンセリングルーム、相談室でやっています。


「グループでというのは?」

集団療法そのものは、今のところやっていません。ただ、ボディワークのワークショップなどは、グループでやりますし、“ビオダンサ”というダンスアプローチもやっていまして、踊る前の20〜30分は参加者でシェアリングをしますので、グループのファシリテーター的なことはやっています。


「その“ビオダンサ”について教えていただきたいのですが。ビオダンサとの出会いは?」

それもみんな偶然の出会いですね。ビオダンサに触れる前に、少し大枠の話をさせてください。私は、心身統合への道として、主に三つの領域、道を想定しています。一つ目はソマティック身体心理療法からの道、二つ目はソマティックス(身体技法)からの道、三つ目はダンス/ムーヴメント(動き)からの道、以上の三つです。


「心身統合への三つの道ですか?」

そうです。三つの道は、三本の矢でもいいですが、相互に補完的です。この三つをバランスよく組み合わせることで、心身統合へのプロセスを促進できるものと考えています。

まず、第一の道とは、これまで主にお話ししてきたもので、狭義のソマティック心理学です。基本的には身体指向の心理療法(ボディ・サイコセラピー、ソマティック、ハコミ、フォーカシング、ゲシュタルトなどを含めて)です。

例えば、深層心理学などは夢をアクセスルートとして、夢からの分析を通じて無意識にアプローチしていくというのが精神分析学系の基本ですよね。それに対して、ソマティック身体心理学というのは、身体を無意識のアクセスルートとします。身体感覚や感情を含めて身体で感じとるものを無意識の窓口として利用するんですね。

第二の道がソマティックス。身体技法、身体学、狭義のボディワークを意味します。ソマティック心理学の近接分野です。フェルデンクライスとか、アレクサンダーテクニークとか、ロルフィングとか、私がやっているローゼンメソッドとか。直接的に心を扱わないのですが、身体的なワークを通じて、いわゆる自己成長につながる気づきが生まれたりするものです。

通常の物理的、肉体的に身体を鍛えるためだったり、リラックスするためだけのエクササイズや訓練とは違うものです。ソマティックスは、ボディワークと同義的でありますが、ボディワークは、より一般的に使われる呼び名で、必ずしも自己成長や気づきを目標にしているとは限りません。

第三の道がダンス・ムーヴメントです。ダンス・ムーヴメントは、実際に身体を、筋肉、骨格を通して、動かすことによって、気づいていくアプローチです。いわゆる表現芸術療法と重なる部分もあります。

第二の道との違いですが、少々乱暴ですが、第二の道は、内面的にはダイナミックなことが起きていても、外見的にはクライアントは受け身である、施術を受けるといった風がありますが、第三の道は、実際に自分で動いて、内面を外部に積極的に、物理的に表現していきますので、クライアントという呼び方は適切でないでしょう。

同時に、第二の道に従事する人は、セラピストと呼べるでしょうが、第三の道では、ファシリテーターという呼び名の方がしっくりする印象ではないでしょうか。

個人的には、一つ目の道として、ハコミを中心とするソマティック身体心理療法、二つ目として、ローゼンボディワークを学んでいましたが、三つ目の領域のダンス/ムーヴメントとして学ぶものを探していた時に、ちょうど、ビオダンサと出会ったのです。

大学院のソマティック心理学科のメーリングリストがあって、プログラム・ディレクターからメールで様々なワークの情報が配信された中の1つに、たまたまビオダンサ・スクールの開校案内があって。まあ変な名前じゃないですか、馴染みのない南米産まれで。それで、ちょっと異文化体験的に参加してみたのがきっかけですね。



インタビュー写真




ソマティック心理学は、身体をアクセスルートとして心理の内面にアプローチする


「ビオダンサの魅力について、教えていただけますか?」

ビオダンサは人間の持つポジティヴな部分に注目し、そこを伸ばしていくことがその基本アプローチとなります。より具体的には、人間であれば誰もが生まれながらに備えている持つ5つの潜在力を伸ばしていくことに注力します。

バイタリティ、セクシャリティ、これは狭い意味で男女の関係っていうのもあれば、男性性、女性性っていうのもあります。そして、クリエイティビティ(創造性)、アフェクティビティ、あとは、トランセンダンス(超越性)で、個を超えたより大きな存在とのつながりです。

近代化された社会では、これらの能力を育てるどころか、逆に抑え込む傾向があります。子どもが自由に遊びを創造したりするじゃないですか。でも大人になったらそういうことってできないじゃないですか。人間は、生命としてそういう要素を本来的に持っているから、それらを出していかないと、表現していかないと、日常のストレスだけでしょぼんとしてしまう。生命体としての成長も、生命体群としての種の進化も停滞してしまう。

これら5つのポテンシャルを現代人は伸ばしていくことで、普段の生活も変化していく。普段の生活のパターンが自分自身を見失わせるものであれば、そこから出て行こうっていうモチベーションも強化していける。

男女関係にしても、夫婦関係とか性格も合わないなって感じているけど、世間体もあるし、とりあえず惰性で繋がっているみたいなことってままあるじゃないですか。でも本当にそのままでいいのでしょうかね。お互いのストレスを大きく育てるという共同作業のパートーナシップの維持は間違っています。実際に現在のパートナーより合う人っているかもしれないのに。

自分自身の持っている男性性とか女性性とか、それを実生活に活かしているかなって。ビオダンサは、そういう部分に焦点を当てて、大切に伸ばしていくことになるわけです。すべての要素を活かしていくプログラムになっているので、継続的にコミットする必要があるんですね。


「数あるメソッドの中で、ローゼンメソッドを選ばれたのは?」

ローゼンメソッドは、昨年1月に97歳で亡くなるまで、生涯現役ボディワーカーであったマリオン・ローゼンが生み出したワークです。実は、ローゼンメソッドを知ったのは、同じバークレー市内にそのセンターがあって、マリオンが長年そこで教えていたからです。

そんなわけで、たまたま出会ったわけではありますが、私の知る限り、感情的なところにフォーカスして、心理面も含めた変容を目的としているボディワークは、ローゼンメソッドしかありませんでした。他にも、ある程度似通った手法はあるでしょうが、ローゼンメソッドはそれをシンプルなタッチに特化する形で明確に表現していると思います。

ローゼンメソッドにおいて、クライアントの実際の内面的な働きは主体的ですが、身体的には横になっていて、マッサージを受けている様は受動的です。自分自身が動くわけではないですよね。ある意味、タッチにフォーカシングが加わったようなものです。

タッチというのは、直接クライアントに触れることで、二人称の関係性がより明確になり、影響を増すという意味で、決定的に重要ですからね。また、ボディワーク版のアクティブ・イマジネーションと言える部分もあるでしょう。


「ロ―ゼンメソッドの特徴を教えていただけますか?」

ロ―ゼンメソッドの特徴は、形態的にはハンズオン・ボディワークです。“ハンズオン”とは、直接クライアントの身体に触れるという意味です。通常のマッサージは、セラピストがクライアントに手で触れますから、ハンズオンとなります。そして、“ボディワーク”は便利な言葉で、その範囲は広く、単なるマッサージ的なこともボディワークと呼ばれることがあるんですね。

狭義のボディワークは、一人称的な自己の気づきを得るための身体ワークを意味し、ソマティックスとも呼ばれます。そのソマティックスですら、直接的に感情・心理に働きかけるということは、必要条件ではないわけで、一般的にクライアントが生の感情を表現したときの対応を想定してはいません。

それに対して、ローゼンメソッドは二人称のボディワークであり、セラピストとクライアントによって創られる“私たち”の関係性が肝となります。感情の表出は当然起こり得ることとして考えています。


「二人称のボディワーク・・・」

繰り返しになりますが、ボディワーク自体は、感情表出は必要ないわけです。身体だけ治ればいいという考え方もある。肩が凝った、リラックスしたいという単純な目的で、施術を受けるクライアントさんが大多数かも知れません。また、ボディワーカーの中でも心理的なものに抵抗のある人も多くて、心理的なものに触れたくないから身体に対してワークするという人も結構いるようです。

逆に心理カウンセラーをやっている人の中には、身体に触れるのが怖いという人もいて、だから言葉だけでアプローチするという人もいます。クライアントさんでもセラピストさんでもそういう人がいるものです。

だからたまに、クライアントさんで、単に身体をほぐしてもらう目的で来たのに急に泣き出したり感情的になったりする人が出てきて、そのクライアントさん自身も驚くけど、ボディワーカーさんも驚くわけですよ。自分が触れたくなかったことが出てくるし、その場合の対応なんて、学んだことが無いし、すっかり狼狽してしまいます。

身体的なボディワークであっても、実際には深く入れば入るほど、感情・心理面への影響は避けられないと分かってきますので、達人といわれる人は、知らず知らずにその対処法を身につけているわけです。

そういう部分を大切にしているのがローゼンメソッドですね。最初から、感情の部分が出るのを前提としてというか、その上でのボディワーカーの態度というか心がまえというか、そういうことについて学んでいくんです。


「どういう態度なのでしょうか?」

基本的には、すべてボディワーク的なものとセラピー的なものと両方やっているわけで、すべてにわたって共通するのは、自己一致・無条件の積極的関心・共感という古典的なロジャーズの三原則です。あれは別にカウンセリングだけではなくて、すべての二人称のワークにあてはまる。

相手と共感して、相手を尊重して、受け止めて、自分自身も大切にして対応する。本当に自分自身に向き合ってるからこそ感じるままを伝えるとか。ここで言う正直とはただ何でも感じたことを話すという正直さではなく、2人の間での真実を伝えるということですね。それを、優しく触れること、いわゆるローゼンタッチを通して、直接的につながるのです。


「ローゼンメソッドでは、セッション中にお話もすると聞きましたが?」

ええ、そうです。ローゼンメソッドでは、セッション中に話もします。それも、どちらかというと感覚中心で、身体感覚や呼吸の状態についてとか、自然と浮かんできた思い出や感情、イメージとか。ほんのちょっとでも深くそれらを味わうサポートとなるようなことを話しかけるのです。

言葉の内容に重きを置きすぎると、どんどんと頭の方へといってしまう、表面的な思考の世界に囚われてしまいます。そうではなくて、言葉は非言語的なプロセスを補助するために使われるのです。

体に直接触れながら話すことは、触れないでただ話すことより、パワフルな面が多くあるのです。クライアントとセラピストが常にコンタクトしているのですから。人と人とが触れるということは、ひとつの根源的な状況であり、そこで生まれる共感的なプレゼンス(存在)によって、クライアントのプロセスが促進されるのです。それがロ―ゼンメソッドのやり方ですね。

常に言語的なものと非言語的なものの割合を、どこにどういう風に持ってくるかということのバランスが大切になってきます。


「バランスが大切なのですね?」

身体が大切だから言語はまったく必要ないということでもありません。脳は三層構造で、本能的な部分、感情的な部分、思考的な部分の調和が大切です。頭を使うことは大切ですが、頭だけでは、頭がおかしくなりますし、また、感情だけではだめで、自制すべきところは自制しないといけない。

三つの構造がうまくいくことによって、人間性心理学的な考え方同様、人間としての十全なポテンシャルが開花し、全人的に成長し、生きて行けます。

間は絶妙なバランスの上での統合体としての存在を目指している生命体であると判断できるでしょう。近代人は、どうしても思考的な部分、神経症的な水準に行ってしまう傾向性があることも否定できませんが。そういう意味でも、落ち着いて、グラウンディングして、日々を過ごすことが大切であると思います。


「今、悩みを抱えている方にメッセージをいただけますか?」

悩むことも必要だけど、体験する、行動してみる。最初は、何でもそうですが、スタートする前は力をためないといけない。そして、億劫だったりとか、引きとめる力に逆らって、とにかく、アクションを起こす、動き始めるってことが大切ですね。

自分自身に刺激を与えるっていうか、自分の可能性を試してみる。そうすることによってプロセスも動くでしょう。あまり先のことを心配する必要がないっていうか、あまり意味が無いというか。

結局、先のことは分からないのが人生ですよね。軽々しく言えることではありませんが、どんな状況でも希望はあると思うので、先に進みましょう。自分にもそう言い聞かせています。それと、セラピーやクラスは、一回だけで判断するのではなく、何度か継続して受けてほしいですね。


「今後の夢や展望は?」

ソマティック心理学やインテグラル理論を通じて、今までより、広い視野を持てる人が増えていくと、世の中はもっと良くなるんじゃないのかなって思いますね。今回のインタビューでは、インテグラル理論には、ほとんど触れませんでしたが、私のソマティック心理学は、インテグラル理論も取り入れたものなので、“インテグラル・ソマティックス”と呼ぶこともあります。

ライフワークは、人間や進化を理解するために、“心身統合”について、統合的に学びを深め、実践することになりますね。その現象面としては、心理療法であったり、ボディワークであったり、ダンスであったり、ソマティック心理学やスピリチュアリティに関わる講義であったり、一見、様々な形で顕われます。

しかし、心身統合という意味では、同じことを探求しているに過ぎません。現在、宗教学/神道学や宗教心理学、民俗学や文化人類学の分野にも関わっていますが、さらに広い観点から“統合”について理解を深められることを期待しています。誠に“統合”づくしですね。

最後になりますが、ソマティック心理学は、私達の内なる二つの極、すなわち、生命体としての人類に共通するユニバーサルな極(普遍性)と私という個別の身体性が持つローカルな極(特殊性)を同時に包含しようという企ての一つでもあります。

将来は、さらにこの企てを進めていくつもりで、そのための継続的、安定的に研究や体験ができる環境作りに貢献できれば幸いです。

何かの組織であったり、学校であったり、コミュニティであったり、物理的なスペースであったり。もちろん、私一人でできることはとても限られているので、様々な方々からのサポートも頂きながら、大きな意味で一緒に時代を創っていくことを夢見ています。

そして、多くの志ある人達に、正面から向き合っている人達に何かを提供でき、一緒に取り組んでいけること夢見ています。勇気を出して一歩一歩を踏み出し、人生の豊かさと世界の美しさを味わい、楽しみましょう。





<編集後記>

インテグラル理論から、さらに「地に足をつけた生き方」の探究として
「ソマティック心理学」を深く・多角的に研究・実践されている
久保隆司先生。

先生の、柔らかくソフトな語り口の中からも、
人間の自己超越(トランスパーソナル)段階への進化への
強い希求のご意志が、感じられました。

まずは久保先生の『ソマティック心理学』をお読みいただけたら・・・
と、思います。

心身統合の先の、崇高な人間存在への「愛」と「希望」に
大いに勇気づけられることと、思います。



次回号「使った方がいいと感じるものを入れていく“拡張されたゲシュタルトセラピー”」→

←前回号「音楽は共通の言葉。音楽・声を使うことによって、自分自身に気づく」


インタビューTOP(目次)

-ご案内- 久保 隆司 先生 インテグラル・ソマティックス


久保 隆司(くぼ たかし) インテグラル・ソマティックス代表 臨床心理士
                 ローゼンメソッド公認ボディワーカー
                 ビオダンサ公認ファシリテーター
大阪大学人間科学部にて文化人類学、米国ジョン・F・ケネディ大学大学院に てソマティック心理学(身体心理学)を専攻。カウンセリング心理学修士。
現在、都内にて大学院非常勤講師や心理カウンセラーを務める。
ビオダンサ・サンフランシスコ校出身
その他、サンフランシスコ・ハコミ研究所なども修了。
日本トランスパーソナル学会理事、日本トランスパーソナル心理学/精神医学会理事。東京在住。


<久保隆司先生のHP>
【Welcomeソマティック心理学へ!】


<久保隆司先生の著書・訳書>

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ソマティック心理学



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PTSDとトラウマの心理療法―心身統合アプローチの理論と実践



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PTSDとトラウマの心理療法ケースブック



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ローゼンメソッド・ボディワーク 感情を解放するタッチング



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インテグラル理論入門I ウィルバーの意識論



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インテグラル理論入門II ウィルバーの世界論







インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)
鈴木明美
セラピールームChildren主宰、Team Oasis 代表
自分がなんだか分からない。何かやりたいけど、見つからない。
心の悩み、病を抱えた方、自己実現したい方のお手伝いをいたします。

心理カウンセラー、ゲシュタルトファシリテーター、NLPセラピスト、
交流分析士1級、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren

インタビュアー:前田みゆき(まえだみゆき)
前田みゆき
身も心も魂も輝やくように、いつも笑顔を心がけています。
人とのご縁で、気づかされることが喜びです。

自称 遅咲きさん

コーチングと心と体の健康について、もっか勉強中

インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)
脇坂奈央子
『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
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