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あなたのそばにいる「こころ達人の横顔」 インタビュー集


カウンセラーやセラピスト、セミナー講師など「こころの現場の最前線」で活躍されている方の横顔を紹介します。

 ・カウンセラーってどんな人なの?
 ・カウンセリングって、どうやって受けるの?
 ・私も将来カウンセラーになりたいのですが・・・
 ・・・などなど


「こころ達人の横顔」をインタビューしてきました。
あなたにとって、カウンセリングやセラピー、ヒーリングがもっと身近になれば幸いです。

- 高野 雅司 先生 日本ラビングプレゼンス協会 -

   「ラビング・プレゼンスは、究極のエンパワーメント!」

2014年 02月 15日


今回のインタビューは、日本ラビング・プレゼンス協会代表で
ハコミセラピストの心理学博士(Ph.D.)、高野 雅司(たかの まさじ)先生
です。

先生は、「一人ひとりの『心の平和』の実現から、より良い世界が
生み出される」という、ご自身の原点にある思いを実現していくための
重要なカギとして、ラビング・プレゼンスの普及をライフワークとし、
活動を続けていらっしゃいます。

昨年、『人間関係は自分を大事にする。から始めよう』を上梓され、
全国を飛び回っていらっしゃる高野先生に、ハコミセラピーの特長や、
「マインドフルネス」「ラビング・プレゼンス」などについて、
お話を伺って参りました。


マインドフルネスは、ただ気づいていればいい

インタビュー写真




「心のことに興味を持つようになったのは、いつからですか?」

僕の高校の頃は、ちょうど米ソ両国による核兵器開発競争の真っ最中で、「核の冬」という仮説が取り沙汰されたり、緊張感があった時代でした。

そこで素朴に感じたのは、「人はなぜ戦争するんだろう?」ということでした。自分は人を殺したいとは絶対に思わないし、周りを見ても人殺しになりたいなんて思ってない。なのに「有史以来、なぜ人は戦争をし続けているのだろう?」というのが不思議でしょうがなかった。

そして、とにかく戦争がなくなればいいと思いました。「人それぞれが、活き活きと幸せに暮らせる世界になったらいい」と漠然とした思いがずっとあって、それが出発点だと思います。

大学1年の時に、自分なりの答が見えたんです。それは、「政治やイデオロギーでなくて、一人一人の意識の変化だ」ということでした。自分が変わることに対して心を開いていくこと、そして一人一人が心の平和を取り戻していくこと。その延長戦上にしか、世界の平和はないのではないかと思いいたったんです。

ですから、「戦争がない世界、世界平和」というところから、「一人一人の意識をどうやって変えることができるのか」、という疑問を経て、人の心に興味を持ち始めたと言っていいと思います。


「日本ラビング・プレゼンス協会を作られましたが、ラビング・プレゼンスとは?」

ラビング・プレゼンスというのは、ハコミセラピーで一番大事にしているもののひとつで、簡単に言うと、関係性・信頼関係を作るための考え方とアプローチです。

いわゆる心理療法というのは、まず信頼関係があってナンボの世界なわけですが、一般的には傾聴とかロジャースの「受容・共感・自己一致」といった考え方があるじゃないですか。

まさにその通りなんですが、「どうやったらそうした状態になれるのか」ということがほとんど語られてないというのが問題で、僕の中では、このラビング・プレゼンスというのは、そうした状態をセラピストが具体的な形で自然に生み出すためのひとつのスキルだと思っているんです。

セラピーに限らずに一般の日常でも、普通、人といい関係を作ろうとした場合は、だいたい自分が相手に合わせるところから入るじゃないですか。相手の都合に合わせたり、話を合わせたり、時間に合わせたり。あと、与える。贈り物をしたり、サービスをしたり、というところから入りますよね。

そんな風に「合わせる、与える」というところから入りがちなんですけど、逆転の発想で、ラビング・プレゼンスでは、まず「相手から受け取る」ことから入るんですね。何を受け取るかというと、目には見えない自分にとっての心の糧みたいなものです。


「まず相手から受け取る?」

受け取ると言っても、「勝手に感じ取っちゃう」みたいなものなんですけど。その人の存在を通じて、自分の中にある種の「心地よさや快な感じ」を呼び起こしてくれるような何かを感じ取る。積極的に意識して、相手からそういうものを感じ取ろうとする。

で、そこで起きてくる自分の中の何か「いい感じ」とか、「気持ちいいな…」とか、「あったかいな…」とか、「安心するな…」とか、「ワクワクするな…」とか、そういう感覚を味わっていくところから始める、というのがラビング・プレゼンスのキモになります。

そういった感覚を味わっていると、自然に自分自身が「いい状態」になっていき、またそれが相手に伝染していく、ということが自然に起きる。


「いい状態が相手に伝染していく?」

自分がいい状態になるきっかけを相手にもらっているじゃないですか。実際は、相手が何かをしてくれるわけじゃなく、自分が勝手に感じているだけなんですけど、きっかけになってもらっているので、自然と「ありがとう…」的な気分になって、相手を受け入れる姿勢が勝手に生まれてきちゃう。

これは意識的に相手を受け入れようとしたり、共感したり認めようとするのとは全然違う感覚。当たり前の感覚として、相手に対して自分が「開かれる感じ」に自然になっちゃう。それが相手にも伝わるので、無理のない形で自分が楽で心地良くいながらも、相手との信頼関係が生まれやすくなる、というのがラビング・プレゼンスの考え方なんですね。

ハコミでは、セラピストがとにかくラビング・プレゼンスから始めていくんですけど、これは僕にとっても初めて知った時はすごく目から鱗で、「そんなやり方があるんだ」と。実際、臨床なんかでやってもメチャメチャ使えるんですよね。


「どのように役に立ちますか?」

自然に無理なく信頼関係を作っていけるだけでなく、自分が常にいい状態でいられるので、まず楽だし、「燃え尽き」の予防にもなります。

セラピストや教育現場とか医療現場とか、どうしても「与える、与える」ってなってしまいがちです。燃え尽きるまで頑張ったりとか、一生懸命やり過ぎちゃうとか、自分が疲弊しちゃう。でも、ラビング・プレゼンスだと、常に自分が充電しながらやっていくので無理がない。

自分がいい状態でやれるから、ある意味、自然な形でいい援助ができる。そもそも自分が疲弊していたら、本当にいい援助なんかできないじゃないですか。そういう意味では、燃え尽きの予防になるし、いい援助ができるし、自分も気持ちいいし、「一石三鳥」なんだと思っています。

でも、これを心理の世界だけに留めておくのはもったいないなという気持ちはすごくあって…。どんな人とのコミュニケーションや人間関係にも使える普遍的なものとしてもラビング・プレゼンスを伝えていきたいな、というのがすごくあったんですね。

今は、街の中を歩いていても、何か皆あまり幸せそうじゃない。どこかで何か諦めてる感じがするんですよね。幸せにはなりたいけれど、こんな時代の中でどうしようもないよな、みたいな無力感を感じているようにも思うんです。

でも、このラビング・プレゼンスって、自分でどうにでもなっちゃう。自分の意識の向け方次第で、人でも周りの世界でも、全部がリソースになって、そこから自分がエネルギーを充電できる。そういう感覚を持てるので、これってある種「究極のエンパワーメント」だなって思っているんです。


「自分で自分をよい状態にできるのですね?」

ええ。これを一人一人が身に付けて、自分で自分を元気にしてハッピーにしてあげる、ということをどんどん皆がやっていけば、一人一人が自分の心の平安を取り戻していける。しかも、それが自己完結じゃなくて、人との関係にも伝播していくので、それがどんどん広がり、いい関係が生まれていく。

そして、その延長線上として、いい家族とか社会とか国とか世界というものに広がっていく、という大きな意味でのビジョン、学生の時からこだわっていたビジョンを実現するための具体的な方法として、「あ、これじゃないか!」というのが自分の中ですごくつながったんです。

だから30年の時を経て、「これをこれからのライフワークにしていこう」と、2年ほど前に「日本ラビング・プレゼンス協会」を作ったんです。忙しくて中々一歩が踏み出せなかったんですけど、50才になるのを前に、「そろそろ動かないとまずいだろう」というのもあって…(笑)。そのためにも、まず様々な人達に広めていくための一般向けの本を書いて、ようやく出版にこぎつけました。


「ご本の題名は?」

『人間関係は自分を大事にする。からはじめよう』というメインタイトルです。サブタイトルには、『「自分中心」で心地よく変わる“ラビング・プレゼンス”の秘密』というのがついています。

ラビング・プレゼンスというものを、誰にでも使えるコミュニケーション・スキルのベースとして伝えていく、ということを、ハコミセラピーの紹介と平行して、今後のライフワークのひとつとしてやっていきたいと思っています。

対象は誰でもなんですけど、特に対人援助の人達には、日常だけじゃなく仕事にも直結するので、コーチングにしろ、カウンセリングにしろ、看護師さんや介護の人、学校の先生、ボディワークの人や、販売員といわれる対人的な仕事の人、ウェイトレスさんや旅館の仲居さんとか、人と係わる人たちには、ラビング・プレゼンスの意識を持って人と係わってもらうと、よりいい関係を作りやすくなるだろうし、サービスの質も上がるだろうし、自分もハッピーになれる、ということで、これを広めたいなという感じですね。


「ハコミのアプローチとして、身体を大事にしていくことの良さについて教えていただけますか?」

ハコミの大原則の1つとして、心と身体は切り離せないと思っています。心理療法をやっている人は「心が大事だよ」って、「そうすれば身体だって後からついてくるよ」みたいな考え方をしたりするじゃないですか。

逆にボディ系の人は、「いや、そうじゃない、身体を整えれば心だって整うんだ」って言い方をしたりする。それはどっちも正解なんですよ。そしてどちらかだけに還元できるものでもないと思うんです。

身体が整えば心にも影響があるし、心が整えば身体にも影響があるっていうのは間違いなくて、両方とも合っているんです。ハコミの場合は、「どっちもありだよね」ってことです。

身体から入って、そこから心の気づきに入っていくころもあるし、心から入ってそれが身体の反応に出てくる。それを見ていくとまた心に戻ってくるってこともある。常に身体のプロセスと心のプロセスを行ったり来たりしながら、いわゆる全部が繋がっていきます。

ホリスティックな考え方をしているので、常に全体性としての人間の中に起きている有機的なプロセスの1つとして、心のプロセスも身体のプロセスもある。常に縦糸と横糸のように、織り交ぜながらやっていくっていうのが、ある意味セラピーでは当たり前かなと僕は思っています。



インタビュー写真




ラビング・プレゼンスは、究極のエンパワーメント!


「こんな方はハコミセラピーを受けてみるといい、というのはありますか?」

ハコミって、何をやるかとか、こうじゃなきゃというのは、あまりないんです。その時その時にクライアントの方に起きていることにただ徹底的に寄り添ってついていくっていう感じなので、そういう意味では、どんな人がどんな悩みを持ってきたとしても、自然に必要なことが起きてくる。

そういうことが自然に起きてくる「場」を作っていくのがハコミなので、ある意味ではオールマイティな感じはあると思います。一般的な悩みを抱えている方であれば、心の問題であれ、身体の症状であれ、有効にアプローチできるかなって思っています。

身体の場合は、最初は皆さんお医者さんに行くじゃないですか、お医者さんに原因が分かりませんって言われて、だいたい次に心療内科に行って、それでも結果が出なくて、セラピーに流れてくるって人も結構多いんです。

そうやって、身体の症状で悩んでくるっていう人も結構いるし、それはそれで、その方の症状に沿ったアプローチをしていくわけで、結果としていろんなことに自分で気づきながら克服されていく方も沢山います。


「身体の症状でいらっしゃる方には、どんなアプローチをされるのですか?」

基本的には、マインドフルネスで、まずはその時の身体に起きていることを丁寧に観察しながらやっていきます。本当に面白いんですけど、単純に自分に起きていることを丁寧に感じてあげるだけで、何にもしなくても、ちゃん留まっていれば、それだけでいろんなことが起きてくるんですよ。

セラピストはそこで、必要に応じて「お産婆さん」的なお手伝いをします。基本的には、その人が丁寧にとどまって、自分が起きていることに一緒にいてあげることができれば、紆余曲折はありますけど、その人の中の自然治癒力というか深い叡智のようなものが働いていって、ちゃんと前に進んでいけます。

安心して自分の体験に留まれるような「場」を、いかにこちらが提供してあげられるかです。そういう「場」がそこにあって初めて、その人は自分の体験と一緒にいられる。そういう感じでやっていけば、どんどんその人に必要なことが起きていきます。


「マインドフルネスとはどんなものか、教えていただけますか?」

マインドフルネスというのは、元々、仏教瞑想から来ているんですけど、簡単に言うと『気づきの意識』。自分の中に起きていることを、ただそのまま気づいていく。

「あ、こんなことを考えている」「あ、こんな気持ちがしている」とか、体のここが暖かいとか、硬いとか。「あ、こんなことを思い出した」とか。自分の中にフッと起きていることを全部そのまま、ただそのまま気づく。ポイントは、そこに良し悪しなどの判断を入れない、ということですね。

「こんなこと考えちゃいけない」とか、「これは昨日ああだったからかな」とかね。そういった意味付けとか解釈とかを我々はしがちですけど、そうではなくて、「ただこういうことが起きている」というように、ひとつひとつただ起きていることに気づいていくだけに留める、というのがマインドフルネスなんです。

よく瞑想というと、日本では禅のイメージが強いので誤解されやすいんですけど、瞑想って大雑把に言うと2つの要素がある。

『止観』という言葉があるんですけど、『止める』というのはサンスクリット語でサマター。簡単に言うと、これはまさに止めるっていう文字通り、自分の意識に起こってくるものをストップすること。

よく『無の境地』とか言うじゃないですか。禅でも「心の中を空っぽにして」というイメージがあるでしょ。それは、『止』、サマターの方向性なんですね。でも心を無にするのってメチャクチャ難しいじゃないですか。

もう1つの『観』というのは、ヴィパッサナーという言葉にあたります。ヴィパッサナー瞑想というものがありますが、こっちは『観』だから、文字どおり眺める、観察する。自分の中に起きていることを止めなくていいから、「ただそのまま見ていきましょう。ありのままに」という方向性です。


「ありのままに、で良いのですね?」

厳密に言うと、マインドフルネスには『止』と『観』両方の意味合いが入っているんですが、大雑把には『観』により近い感じですね。ただそのまま気づいていく。こっちの方が、あるがままでいいので比較的やりやすいんですよね。何か考えていても別にかまわないし、雑念が起きていてもそれに気づいていればいいということなので…。これがマインドフルネスです。

「いろんな雑念が浮かんできちゃうので、うまくマインドフルネスになれません」みたいなことをよく言われるんですけど、「雑念をすべて消そうとしなくていいんですよ。ただそれに気づいていればいいだけですから」とアドバイスしています。


「今、悩みを抱えている方へ、メッセージをいただけますか?」

多分、人間生きている限り、悩みがなくなるということはないと思うんですよね。もし悩みがなくなってしまったら、ある意味で、人間って生きる意味を失ってしまうんじゃないかな、とさえ思うんです。悩むのは人間の本質というか、イコール生きていることでもあると思うので…。

でも、もちろん苦しいものは苦しい。僕も今だって悩みがなくなっているわけじゃないですし、日々悩みながら生きていますけど、自分の体験から言うと、今は、悩むことが苦しいんだけれど、一方で楽しくもあるというか、両方の感覚があるんですよね。

「この悩みの先には今度は何が待っているんだろう」って、悩みから逃げずにちゃんと直面しながら進んでいった時に開けてくる新しい世界とか気づきとか、そういうものに対しての喜びとか、そういったことも実感しているので…。そういう意味で、悩むことに対して苦痛だけではなくなったという感じです。

でも辛いですよ。キツいし、「もう、ヤダー」と思うことも今でもあります(笑)。でも、それ一色にはならない。


「その先に開けてくる世界があるということを信頼できる…というような感じですか?」

そうですね。それは実感としてすごくあります。ただ、それは自分で体験してみないと分からないことなので、「そういうものなんだ」と聞いたからといってできるものでもないと思うんですけど…。ただ、僕はすごく確信を持っています。誰にとってもそうなんだと。逃げなければ必ず。

止まない雨はないのと同じで、絶対に必ず陽は差してくる。でも、そのために一つカギになってくるのは、初めの方の話とも絡むんですけど、自分が変わることに対して恐れない、ということ。

ラビング・プレゼンスもそうなんですけど、基本的に「人というのは常に変化している」という前提で人と係わっていくというのが、ポイントになっている。人って、どうしても現状にしがみつきたくなるんだけど、変わるとか、変わっていくんだということに対して心が開かれると、いろんなことがすごく楽になる。

人って、どうしても今の自分を前提としていろいろなことを考えがちだと思うんです。「自分はこうだから、ああだ、こうだ」って、悩む時ってだいたいそうじゃないですか。でも、今の自分っていうのはずーっと続くわけじゃなくて、常に変化していくものだから、そこに対して信頼する。

今はこうかもしれないけど、でも1年後は全然違うかもしれないし、1時間後でも何か違うかもしれない、というようにいられると、すごくいいと思う。ラビング・プレゼンスをやると、そういったことを深く実感できる。常に瞬間瞬間変わっていく相手と自分を感じていくものなので…。

そうした自分の変化を信頼するとか、そこに見える喜びとか、そういうものにもつながると思っていて、そういう深いところでもラビング・プレゼンスをやってもらうことによって、心が楽になるというものがあるのかな、と思っています。


「どんな風にセラピストを選ぶと良いのでしょうか?」

「どういうセラピーを受けようか」ってことに悩んでいる人に関して言うと、「自分(の症状)にはどういう手法がいいか」ではなくて、あくまでも「どういうセラピストと行うか」の方が、数十倍大切です。

頭で考えて「こういう療法がいいんじゃないかな」と選ぶよりは、いろんなセラピストの写真でもサイトでも何でもいいので触れて、「フィーリングが合うな」など何でもいいので、直感的なところで「なんとなくいいな」って感じた人に電話などで問い合わせたり、とりあえず試しに一度会ってみる。

それで実際に係わっってみた時の自分の感覚、相性的なものも含めて、セラピスト選びをする。そっちを大事にする方がよいと思います。療法選びではなくて、セラピスト選びが大事です。

例えば、ハコミをやっているセラピストだっていっぱいいる訳で、誰とやってもうまくいくわけではもちろんないでしょう。セラピーって、クライアントとセラピストとの間に生まれる「関係性のアート」だと思っているんです。

駆け出しのペーペーのセラピストと、経験何十年のベテランの人がいたとしましょう。ある特定のクライアントさんにとっては、ベテランのセラピストは全然いいセラピストじゃなくて、ペーペーの人の方がすごくいいセラピストになるって場合だって、いっぱいある訳ですよ。

そういう世界だと僕は思うんです。なので、人で選んでくださいね。自分と合う人を選ぶ感覚っていうのは、誰でも持っていますから。「頭で選ぶんじゃなくて、直感とかフィーリング、感覚で選ぶようにしてください」というのは、すごく言いたいことですね。


「今後の夢や展望をお聞かせいただけますか?」

くり返しになりますが、セラピーという枠を超えて、ラビング・プレゼンスを広く伝えていきたいと思っていますが、ラビング・プレゼンスをやる上でも、マインドフルネスっていうのが前提になっている訳なんですよね。

マインドフルネスで自分をちゃんと感じてあげて、自分に気づいてあげるっていうことができないと、ラビング・プレゼンスもできません。自分の中に起こっている「心地よさ」を味わっていこうとするので、まずは自分の感覚に気づけてないと始まらない。

心地よさって、普段はあまり味わっていないんですよ。何かいいことがあっても、「あー、楽しかった」だけで終わっています。楽しい事や嬉しい事があった時には、何らかの心地よさが身体などに起きているはずで、そうした感覚をじっくり感じていけばいくほど、脳がポジティブな方向に変わっていくっていうことも、最近の脳科学で分かってきました。

残念ながら、我々の脳って、元々はネガティブなことに意識が向きがちなんです。大昔、進化の過程では、そうしなければ生き残ってこれなかった…。そのネガティブな傾向を変えて、もっとポジティブな方へ感度が上るような脳にしていくためには、自分が良い体験をして良い感覚が起きている時に、その感覚をなるべく時間をかけてゆっくり感じ切る、味わうことがカギになるんですよ。

そうすればするほど、新しいシナプスの結合が起こって、脳の傾向も変わっていくことが最新の脳科学で分かってきたので、そういう意味でも、心地よさを味わうっていうことで、自分で自分の脳も変えていけるし、自分自身をいい方向に変えていけるんです。で、「心地よさ」を味わうためには、その感覚が起きていることに気づけないとダメなので、マインドフルネスって絶対に必要なんですよね。


「ラビング・プレゼンスとマインドフルネスの両方が必要なのですね?」

ラビング・プレゼンスと同時にこのマインドフルネスを、生きていくための基本的なスキルとして伝えていきたいなって思っていますね。

ここ最近、マインドフルネスっていうのは、「自分と仲良くなること」だって言い方をしています。要は自分に起こっていることに丁寧に気づいてあげるってことなわけですが、普段気づいてないことっていっぱいある訳ですよね。

頭ばかりで考えて、自分の身体や感情について意外と気づいていないんですね。ちゃんと自分に気づいてあげて、自分の状態をより的確に分かっていると、自分にとって的確な判断や行動が出来るようになる。自分の本当の気持ちが分からないで何かをやって、後で「あ〜あ」ってこと、いっぱいあるじゃないですか。

例えば、お腹一杯なのについつい食べちゃって「ああ苦しい…」みたいなことってあるけど、もっとちゃんと身体のことを感じてあげていれば、頭だけの判断で食べちゃうことが減ってくる。自分にとって優しい、適切な言動がとりやすくなる。自分を分かっていないから、変なことをついやっちゃう訳ですからね。

そういう意味で、マインドフルネスを活用して、自分を知れば知るほど、自分にとって優しくなれるし、自分と仲良くしてあげられる。自分にとって「いい選択」をしていけることにつながっていくんです。単純なことなんですけど、それって日々の中ですごく大事なことだなって思います。

生きていく上での基本姿勢として、もっと自分に優しく、仲良くするっていうことを大事にして、全ての人に生きていって欲しいなって思うし、そうしていれば、悩みだって減るはずなんですね。

難しいことを伝えるんじゃなくて、そういうシンプルで大事なことを伝えていきたいなって思っています。

一人でも多くの人が、自分を大事にするところから始めて、それが周りの人達とのいい関係につながってもいきながら、日々生きていくっていう輪がどんどん広がっていくことを願っていますし、そのためにやれることをやっていきたいなって思っています。

どこまで広く伝えられるかは分からないけど、ある程度まで広がっていけば、それがガラッと世の中の空気感をシフトさせる可能性もあるのかなって。それを楽しみにしながら、残りの人生をやっていけばいいかなって思っています。





<編集後記>

高野先生の飾らない雰囲気と温かい笑顔で、インタビューはとても和やかに
進みました。

学生時代に、世界平和と戦争がない世界を実現させたいという夢を抱きながら、
壮大な夢に、方法が見いだせず絶望されたことが、今の高野先生の土台と
なっているような印象を受けました。

日本ラビングプレゼンス協会での、一人一人の意識の変化をサポートされる
活動は、学生時代に描いた夢の実現への第一歩。

変わらずに夢を持ち続ける意志の強さと思いの大きさが、
先生のお話しから伝わってきました。

ラビング・プレゼンスは、心の充電器。
みんなが持つと、自分を大切にしながら人といい関係でつながっていく輪が
広がっていく、そんな予感がしてきますね。(A)



次回号「グループがもつダイナミズムを活かす、プロセスワーク!」→

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インタビューTOP(目次)

-ご案内- 高野 雅司 先生 日本ラビングプレゼンス協会


高野 雅司(たかの まさじ)  日本ラビングプレゼンス協会代表
                   心理学博士(Ph.D.)
                   ハコミセラピスト、ハコミ公認トレーナー

一橋大学を卒業の後、コンサルティング会社勤務を経て、私費留学のため渡米。 カリフォルニア統合学研究所(California Institute of IntegralStudies)の東西心理学部を卒業し、博士号を取得すると共に「組織開発と変容」課程も修了。また、ハコミセラピーの公認プロフェッショナル・トレーニングも修了し、その後は臨床経験を深める。
1997年に帰国し、心理臨床の現場で活躍するとともに、異なる価値観を持つ個人/集団間の創造的な対話を促進するためのコミュニケーション研修やコンサルティング活動なども行う。また、自己表現に不慣れな多くの日本人に適した、繊細かつ内省的な心理療法としてのハコミセラピーの紹介と普及にも力を注いでいる。
2011年、「日本ラビングプレゼンス協会」を設立。 現在は、「一人ひとりの『心の平和』の実現からより良い世界が生み出される」という、自らの原点にある思いを実現していくための重要なカギとして、ラビング・プレゼンスの普及をライフワークのひとつとして位置づけ、可能な限り世界中に広めていくべく意欲を燃やしている。


<日本ラビングプレゼンス協会のHP>
【日本ラビングプレゼンス協会】


<日本ハコミ・エデュケーション・ネットワーク(JHEN)のHP>
【日本ハコミ・エデュケーション・ネットワーク(JHEN)】


<高野雅司先生の著書・訳書>

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人間関係は自分を大事にする。から始めよう



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ハコミセラピー



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魂のプロセス



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トランスパーソナル心理療法入門







インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)
鈴木明美
セラピールームChildren主宰、Team Oasis 代表
自分がなんだか分からない。何かやりたいけど、見つからない。
心の悩み、病を抱えた方、自己実現したい方のお手伝いをいたします。

心理カウンセラー、ゲシュタルトファシリテーター、NLPセラピスト、
交流分析士1級、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren

インタビュアー:高橋美智代(たかはしみちよ)
高橋美智代
不惑を過ぎてから、心理学を勉強中の身です。
一瞬一瞬を、共に過ごす人々と、大事にして生きていきたいと思う
今日この頃です。

好きな動物:猫
趣味:読書 ピラティス
レイキマスター

インタビュアー:川田史郎(かわだしろう)
川田史郎
マーケティングプロデューサー、コーチ。

現状を変えていきたい人、何かをはじめたい人の
コーチングをしながら、
解決策のプロデュースや事業化のお手伝いをしています。



インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)
脇坂奈央子
『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
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