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あなたのそばにいる「こころ達人の横顔」 インタビュー集


カウンセラーやセラピスト、セミナー講師など「こころの現場の最前線」で活躍されている方の横顔を紹介します。

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 ・・・などなど


「こころ達人の横顔」をインタビューしてきました。
あなたにとって、カウンセリングやセラピー、ヒーリングがもっと身近になれば幸いです。

- 廣水 乃生 先生 コミュニティファシリテーション研究所 -

   「グループがもつダイナミズムを活かす、プロセスワーク!」

2014年 03月 29日


今回のインタビューは、コミュニティファシリテーション研究所代表で
日本プロセスワーク協会会長の、廣水 乃生(ひろみず のりお)先生です。

先生は、プロセスワーク(プロセス指向心理学)のパラダイムやスキルを
ベースに、「組織・グループ・コミュニティをいかに活性化するか、
いかに持続可能にするか」というテーマに取り組み、
研究と実践活動を続けていらっしゃいます。

欧米文化の中で育まれてきたプロセスワークを、日本文化の中で応用して
いく「応用実践研究」が必要とおっしゃる廣水先生に、
プロセスワークの強みや、 「もめごと」(対立・衝突)のもつ「可能性」など
について、お話を伺いました。


意図していることと、意図していないことの両方を大事にしていく

インタビュー写真




「プロセス指向心理学の特徴を、簡単に教えていただけますか?」

僕が思うプロセスワークの特徴は、個人、人間関係、グループと、その形態を超えてプロセスに関わる視点・手法をもっていることだと考えます。もしかするとそれぞれの心理療法を極めていくとプロセスワークになり得るという人もいるぐらい、そのアプローチは多様ですが、人に関わる本質に迫る世界観をもっています。


「他にはいかがでしょう?」

また心理学でいう潜在意識のように、人間関係やグループなどに生起してくることを多次元的にとらえる視点も特徴のひとつでしょう。トレーニングでは、個人でいう目に見える行動や意識的なことの背後にある、目に見えにくいことや無意識的なことを、人間関係やグループでも取り上げていく感性を磨いていきます。

とは言っても、最近のプロセスワークのトレーニングについてや、日本のトレーニングの現場については分かりません。どんなことを教えてるのかなと、トレーニングを受けたことのある人達の話を聞くと、プロセスワークの根底は一緒なのですが、受け手側がどういう風に聞くかが大きく作用していて、受け手によって表現がだいぶ変わってくることが分かります。そこがまず混乱しやすい。

人に聞けば聞くほど分かりにくくなってくるのも、プロセスワークの特徴の1つかもしれませんね。教えている人達が間違ったことを言っているわけではなくて、それぞれの先生の話の傾向に特徴があり、それを学ぶ人のフィルターで語るせいなのかもしれません。

僕の周囲には、心理の方、対人援助の方、社会活動家、ビジネスマン、行政の方、学校関係者、困難な状況の人、ダンサーや医療関係者など、本当に多様な人達がいます。そういう方々と話していると共通する部分がたくさん見つけられると同時に、それぞれの方々が個性に応じた世界観で解釈をし、独特な言葉で語ります。

これはプロセスワークの多様性の現れ方のひとつで、特徴でしょうね。それは僕も同じで、僕の偏りの中で話していて、勝手な解釈をしている部分があるんだと思っています。

すごく単純に言うと、僕の考えるプロセスワークは、「意図していることと、意図していないことの両方が大事だよ」ということ。それだけです。この両方を大事にしていくと、流れに乗って進むんじゃないか、というのがプロセスワークの世界観です。


「それは、ゴールを持たない、ということとは違いますか?」

ゴールを持たないわけではない。ゴールを持つこともあるし、持たないこともある。

プロセスワークのややこしいところでもあるし、実態がつかみにくいところですけど、プロセスワークは、意図することと、意図しないことの両方が大事で、その両方を取り込めた時に、プロセスとして自然に流れの勢いが増しますよっていうことだと思うんです。

だけど、別に勢いを増させなくてはいけないわけではなくて、どっちでもいいんですよ。

ただ、プロセスワークの世界観としてはその両方が合流すると、プロセスが自然に進み出しますよ、ということ。それが分離した状態の時には、エネルギーがいろんな形で必要になるんじゃないか、というのが背景にある。

ゴールを持って進むこともあるし、持たないこともある。ゴールを持つことがいいか悪いかという議論は関係なくて、ゴールを持っている場合、それが1つの意図になります。そして、ゴールに意識を向け過ぎると、プロセスがそれに反するものを浮上させてくる場合もある。それが意図しない流れ。

そうすると、ゴールに意識を向け過ぎるあまり、それを取り込む作業ができないので、流れが滞り、進めるのに時間がかかることもある。その場合は、一時的にゴールを脇に置いて、意図するもの意図しないものの両方を合流させると、ゴールに向かって一気に加速することができる。なので、どちらの場合もありますね。


「先生のコミュニティファシリテーションとプロセスワークとの関係を教えてください」

ユング、ミンデル、ノリ(自分)、と並べた時に、何が自分をここまで推進してきたか。そのラインを見た時に、僕はプロセスワークが大好きだし、素晴らしいと思っているし、アーニー&エイミー夫妻(プロセスワーク創始者)も大好きなんだけど、僕をここまで推進してきたのは、プロセスワークに出会い触れてきた中で感じた、3つの課題なんです。

1つ目は、分かりにくい、つかみどころがないように感じる。例えば、箱庭療法がいいか悪いかという議論と、プロセスワークがいいか悪いかという議論は、だいぶ質が違っていて、プロセスワークは箱庭療法を機能化させるような力をもっている。

つまり、どういう方法論を扱うにしても、その背後でプロセスワークの世界観が下敷きに入ってくると、いろんなものが機能化するだろうと思っている。プロセスワーク最高だろう?と言いたいのですが、実は裏を返すと、箱庭療法をやっている素晴しいカウンセラー、セラピストの方は、実際このプロセスワークに近い世界観や態度を持っているとも言える。

言葉とか、バックグラウンドに持っている感じは、多くの人がプロセスワークに触れた時に、何か自分の流派の先生と同じにおいがする、同じことを言っている、ということが結構多い。背後にある世界観が、機能化する世界観であって、それを1つの形にしているのがプロセスワークです。


「機能化する世界観ですか?」

プロセスワークには表面的な方法論はあるようでない、ないようである。何でも屋なんです。機能性がすごくあるんだけど、目に見えない分、分かりにくい。でも応用可能性はかなり広範囲で、僕の言葉で言うと「世界平和への道」だと思っている。

僕が言う世界平和は、自分の心の平和と、身近な人との関係の平和から始まるんだという考えです。それを実現するのに、いろんなスキルが大事なんだけど、実はスキルよりも、ベースになる考え方や世界観にフォーカスしていく方が、おそらく早く実現できるだろうと考えています。

スキルの部分は、今までの人生でそれぞれが獲得してきているものが、そのまま活かせるのではないかと思っている。そのあたりのさまざまな流派との関連やプロセスワークの中にある概念・用語などの関連などをわかりやすく整理して、わかりやすく共有したいのです。

2つ目は、体得するのに時間とお金がかかるということ。


「お金がかかる、という課題ですか?」

心理業界は、どれもけっこうなお金がかかるのだけど、いわゆる職業セラピスト、カウンセラーは収入が得られるから、そのためにお金を払って学ぶのは自然なこと。でも僕は、プロセスワークは世界平和につながるものだから、多くの人に学んでもらいたい。

ものすごく高いお金でトレーニングするとなると、お金がある人は学べるけど、お金がない人は学べないということが起こってくる。これは、自分の推進したいことと矛盾しているんですね。学びたい人が好きなだけ学べるようにする、その知恵や恩恵をお金があるないに関係なく受けられる、ということがすごく大事だと思っている。

プロセスワーク業界もとてもお金がかかる。この業界が貨幣経済の仕組みの中で生き残っていくためには、当然お金を回していくのは必要なことだし大事な側面でもある。だからといって問題ではないとは言えない。お金の問題を超えて、どうやって多くの人と共有できるかというのが課題の2つ目です。業界を壊さないために別の道を作りたいと考えました。


「3つ目の課題は、何でしょう?」

3つ目は、分かりにくいということにつながっているのですが、プロセスワークの教え方という課題で、学習者自身の背景にあるものによって違う向きになってしまうこと。プロセスワークの世界観を感じ取れるようにトレーニングで導いていく必要があって、これをどうやって実現していくか、というのが課題です。

分かりやすさっていうのは、誰にでも分かるというレベルと、もっと詳しく学びたい人にトレーニングをしてどのように早く磨き上げることができるかという点がある。そのあたりの工夫が、教育というバックグラウンドのせいか、アツイんですよね。

自分はマスターコースを終えて、プロセスワークを教えるようなことになるのはよくないな、と思った。自分が目指しているのは、ユングの続きをやっているミンデルのその先に行くものが何なのかを探究することで、僕はプロセスワークをさらに発展させようと考えている。理論の発展ではなく、実用化させる向きへの発展。みんなの智慧にしたい。


「実用方向への発展なのですね?」

自分がやろうとしていることは、プロセスワークをあらゆる現場で応用しやすいものにすること。応用する時にどんなことが大事なのか、その応用の過程を自分で学習しながら、コアとなる部分は何なのか。いろんな細かい理論が沢山あるけれど、その細かい理論の関連を機能性から考えて整理して削ったりエッセンシャルに残したりする部分は何なのかを見極めていきたい。

段階的に学んでいった方がいいのか、こっちとこっちの話のつながりは何なのか、現場でやるためにはどういう現場で学ぶのが早いのか、といったことを、自分が現場に立って実践して、自分が何をしているのかをもう一度記述する。

そして、自分が何をしたのか、なぜそこでそう考えたのか、それを生み出した背景にあるものは何なのか、というのをたどっていくと、ここからトレーニングが必要なんだ、とか、これが体現されてこないと、いくらこの理論を覚えてもだめなんだ、とか、でも逆にこの理論が入ると、こういう姿勢が生まれてくるんじゃないかとか、そういう順番とか、核になる学びが見えてくる。

プロセスワークを実用化して多くの人の智慧にするために、自分は自分なりにプロセスワークの理論や理屈を組み立て直そうと思っています。アーニーが示しているモデルも、理解しやすいモデルに作り変えたくて、いろんなモデルを作ってきた。

そうすると、僕の言っていることがプロセスワークとして浸透してしまった時、ちゃんとプロセスワークをやっているプロセスワーク研究会の富士見ユキオさんやプロセスワークセンターに対して、「ノリさんが言っていることと違う」と感じる人が出てくると予想される。

それでは、学ぶ人にも混乱が起こるし、持続可能な形でやっている業界の仲間に対しても迷惑をかけると思ったので、「違うものです」と、名前をつけたのが、コミュニティファシリテーションです。



インタビュー写真




グループがもつダイナミズムを活かす、プロセスワーク!


「では、コミュニティファシリテーションの目指しているところは?」

コミュニティファシリテーション研究所がこれから先どうなっていくかは、僕は決めていないし、分からない。僕自身が目指しているのは、すごくシンプルで、困っている人がいないような社会を実現すること。困っている人がいなくなることはないんですけど、困ったことを聞き入れて、社会システムを変えていきたい。

通常、個人が社会に不適応を起こすと、心理業界の中で担当します。その時の方法は2つしかなくて、1つは、適応できるように支援する向き。これはシステムがこういう問題を作っている以上、本人が一旦適応しても、またしばらくしたら不適応を起こすこともある。

本来は社会自体が変わるきっかけになり得るものなんだけど、個人を変えて社会に適応させるという方法。自身が変わっていくことによって、社会の新しい捉え方を持つ可能性がある。今までのパラダイムが変わることによって、その状況でもやっていける状態になるという余地はある。

もう1つは、困っている人が社会に適応するのではなく、社会やシステムを変える。僕の立ち位置は、ただシンプルに、個人と社会が衝突しているところでは、社会が変わるべき、と思っている。社会がまず変わろうよ、と思っています。


「個人よりも、社会を変える?」

はい。ところがその社会を維持しているのは人なんです。どこでその軋轢が生じているのか。社会システムは僕達の心の中にある。困っている人の話を聞いた時に、自分の心の中にある社会システムに従っているのか、社会システムを変える方向に働いているのか、どっちなのか。

自分の中にある社会システムを変えていければ、社会システム全体も新しい姿に変わっていくし、それを進めていくことで困っている人が困ったままにならない。そうやって自分達の仕組みを変えていこうとみんなが考えていく、ということがしたいんです。

自分の中で、心から願っていることと、「これはこうあるべきだ」と思っていることが混じっている。その混じっているところがしっかり意識化できて、その上で、自分がこの瞬間やっている行動は、誰かを抑圧してでも支持する社会の方に肩入れしているのか、それとも、「いや。人間って自由に生きているだけで素晴らしいんだよ」っていう方に肩入れしているのか、気づけなかったら変えようがないんです。

それをできる人達が増えていくことが、僕の中のスモールステップです。

ミンデルの本の中にもあるのですが、そこにいるすべての人が現すことを大事にしたいと思う人が100人に1人いれば、そのグループは変わる、と教えています。それは社会を変えていく力になる。

なので、コミュニティファシリテーターのトレーニングプログラムでそういう人間を輩出していきたいのです。その人達が自分の現場で、多くの人達の言うことを喜び、その声を大事にしながらその場が新しい価値観をいつも招き入れながら刷新していく組織であったり、グループであったり、家庭であったり、政治であったりしてほしい。

自分の中ではこういう風っていうイメージがあるんです。それは、今この瞬間、場にいる人達が快適にいられる、何かをしたい時だけするということが許される、という文化を、生きている間に垣間見たい、という夢です。それが、本当の民主主義だと思っています。

市民がみんな声をもっているし、選挙に出られない寝たきりの方だっているでしょうし、そういう方の声を汲んで、僕達一人一人が持続的になるような状態をきちっと考えるという社会が夢です。プロセスワークの世界観はそれを可能にしていると思っています。


「プロセスワークを身に付けたら、どういう効果を発揮しますか?」

一番の効果は、自分が自由に、楽しく生きられるということじゃないですかね。シンプルに言えば“出来事から学ぶ”という話なんですね。出来事というのは起こっているわけですね。その出来事からどのように自分の人生に取り込むか、みんなで共有するか、ということなんです。

通常僕達を悩ませるのは、いつも“意図しないこと”です。ですから、“意図しないこと”とどうつき合うかが分かれば、一時的に悩みが起きても、それがどういうことをもたらしているかを自分の中に取り込んでいくことで、いつでも自由になります。

“意図していること”だけでうまくいく時はいいですけど、“意図しないこと”が邪魔する現象も起きるわけで、実は、この“意図しないこと”もギフトなんですね。そして、意図していることに意図しないことが合流すると、物事のエネルギーがスムーズになるんです。

実は、“悩んでいることそのものがギフト”なんですね。そして、これをちゃんと取り込むと物事がスムーズに進むので、悩みが自分を助けてくれる力になる、というのがベースの効果だと思います。トレーニングが必要ですけど、僕はこの恩恵を受けて相当幸せに生きているな、と思いますし、組織やグループが活性化したりもします。


「組織やグループの活性化について、もう少し教えていただけますか?」

例えば、僕らは4人のチームで、「企業向けのコンテンツを作れないか」ということで定期的にミーティングをしているのですが、4人の経験と立場がまったく違うんです。1人は心理の研究者で、もう1人はコンサルタント、もう1人がNPO・NGO関係の出身者で、あとは僕、という4人なので、バックグラウンドが全然違うんですね。

その4人で、企業向けのコンテンツをそれぞれの力を合わせてやりたいと、1年くらいミーティングをやっているのですが、この前、僕らのチームの中でも紛糾して火花が散ったんです。

紛糾が起こると、まず、その事自体がなかったように戻ろうとするんですね。その時は、僕ともう一人の方(Aさん)との間でバチッと火花が散ったんですけど、そうしたら、Aさんが、我を取り戻したあたりで話を戻して話し出したんです。僕はしばらく黙っていたので、3人で話している時間が5分ほどありました。

でも、いわゆる“火花が散ったところ”というのは、意図しないことが発生しているわけですね。なので、この意図しないことが僕らのチームにもたらそうとしている何かがあるんです。だけど同時に、これは危険な感じがして僕らはスルーしたくなるので、元の話に戻ろうとするのです。

ただ、みんな何事もなかったように我を取り戻しますけど、どこか微妙な空気が流れます。だけど僕は、介入せずにちょっと待っていた。みんなが我を取り戻す時間も必要だし、僕自身、「いま起きたことは何だったのか?」とインナーワークしていたんです。「この出来事は何だったんだろう?」、「僕は一体何をしたんだ?」など。Aさんが怒ったということは、ある意味で僕は何かをしたわけです。でも、僕にはその自覚がない。しかし、こういう風に何かが起こる。

これはプロセスとして起こっているから、この出来事から学ぶことが僕にもあるし、みんなにもあるのではないかと思いました。そこを探求する機会をどこで開くか、というのが次のテーマなんですが、結果的には、僕は火花が散った時の話に戻って、Aさんに「申し訳なかったね」と謝りました。

でも同時に、「その時起こったことや、どういう気持ちになったかを聞かせてほしい」と言って、Aさんから直接話を聞き出しました。


「相手の方に直接聞くのですね?」

知らないうちに何かをしていることに対して、僕自身が自覚を高めてそれを引き取っていくという作業が必要だし、Aさんの流儀も価値観もあるから、「一体僕は何を踏みにじったんだろうな?」とか、「前々から積もり積もっているものをAさんは感じているのかもしれない」など、同じこと繰り返さないように学ばせてもらうためです。

つまり、「その出来事は何なのか?」ということを今やっと表現するタイミングがきた。だから、これを振り返っていきたいということだったのですが、それは、僕達4人がこれまでの自分達の関わり方を振り返る時間になりました。

「起こったことは何だったのか?」ということを共有していったのですが、「それぞれがもっとパワーを使っていく必要があるんだ」「自分達でもっとコミットして、個々に見ている夢を見ていいんだ」というのが1ヶ月前の話で、それから1ヶ月ほど後に、今度はお互い聞き合っている感じで、「4人とも流儀が違うから、お互いがその流儀を学び合う必要があるのではないか」ということが起こり始めたのではないかという議論が出始めました。

つまり、それぞれが言っていることに機会を開いて、一緒に体験してみた時に、「いや、これはノリさん分かりにくいよ」という意見が出た時には、そこをまた詰めていくために、立ち上がってきた要素を僕らが大事にする、ということです。

企業にそういうコンテンツを作ろうとしているわけだから、僕達自身もそれを体現していく必要がある。そこからまた、新しいステップに進もうということです。全然違う人同士だけど、それぞれがそれぞれの持ってきているものを体験しようということに進みだした。それの元を辿ると、この紛争をきっかけにした対話が元になっています。

この紛争をきっかけに対話した結果、雰囲気もよくなったし、以前より親密になりました。まだ、コミュニケーションスタイルの違いや価値観の違いは存在しているので、これからですけど、ただ、もう1つ言えることは、今回の問題がもたらしたこと自体は、僕らが企業でやりたいコンテンツそのものなんですね。

僕ら自身がそれをできるかどうか、ということが、企業でそれができるかどうか、とつながっているので、簡単にいうとリアルに体験学習しているようなものなのです。これからやるコンテンツそのもののことを僕らが体現していくプロセスに入っていったんです。

でもそのキッカケはこの火花なんです。やっと新しい段階に入ってきた。火花はチームの結びつきを強くしていくのです。でも、大体の場合は、火花が起きた5分間がリアルで、たいてい火花が散った後、「まあまあ」となだめて元の話に戻っていく、これが日常での通常の対応なのです。


「せっかくのチャンスを失っている、ということですよね?」

これを問題だと言って、火花を怖いと思う。“意図しないこと”が僕らを悩ませる。でも、もしこの問題をそのままスルーした場合は、「何か俺達一緒にやっていけないんじゃない?」という気分が双方に生まれて、それがだんだん亀裂になって崩壊に向かっていく。

でも実は、その問題こそが鍵で、このことは自分が思っている以上の価値がありましたよね。僕達のチームを結束させる力が働いたし、僕達がやろうとしている事業に対してのヒントに満ちているんです。

またぶつかる部分もあるだろうけど、自分の流儀をみんなが持ち出し始めて、共有しながらすりあわせることを体験していくことで、これから企業でやる時にも、チームとして自分が体験したことできちんと語れるようになるんですよね。だから、この火花は僕の言葉で言うと“全体最適”に向かっている。全てのバランスを取る入り口になるキッカケだと思います。


「火花は、必然性があって出てくるのですね?」

そうとも言えますね。僕は、世界は全部バランスするように動いている、という観点で見ています。バランスに対して火花が起きているので、両方を取り込むとバランスして、一番スムーズに進みだす、というのが僕の仮説です。

だから、火花を押し込めると片側になるので、これをバランスさせる力を自分達で保たなければならなくなって、エネルギーをすごく使うことになるんですね。だけど、バランスさせるために起きている火花を取り込めば、自分達が頑張らなくてもバランスし始めてスムーズに進むはずだから、それを取り込めば自然と進む、というイメージです。

これは個人に対してもそうだし、夫婦間でも組織やグループ間でも一緒で、まったく同じようにできます。僕がコミュニティファシリテーションで“コミュニティ”と名前をつけているのは、「多様な立場の声が影響しあう場をコミュニティと呼びましょう」と定義しているんですね。

そうすると、1人1人が独立して存在するグループ、これは多様な声が影響する場じゃないですか。「このコミュニティをどういう風にスムーズに進ませるか、ファシリテートするか?」というのは、「いかに楽に進めるか?」と同じことで、これは「エネルギーを最小にする」ということです。

そして、「エネルギーを最小にする」ということは、「よりサスティナブルで持続可能になる」ということです。だから、コミュニティファシリテーションは、「コミュニティをどういう風にスムーズにするか?」という方法論として、プロセスワークを更に発展させたものだと位置づけている。


「個人に対して、というのは?」

その定義を個人に言い換えてみると、個人の中ではいろんな感情が起こっている。個人の心の中も多様な立場の声が影響しあう場だと言えるんですね。そうしたら、人が語っているのを聞く時に、どういう立場の声が生起してきているのかが見えれば、それはグループのファシリテーションと一緒なんですね。

グループファシリテーションをやる時は、そのグループの中でどういう声が強力に場を推進しようとしているのか、つまり、ロール(役割)がグーッと立ち上がってくるところ、要するにプロセスが一番押している部分ですが、そこをつかまえる、というのと一緒です。

個人もいろんな声があるけど、その中でグーッと立ち上がってきているのが何なのか、というのが見えれば、個人であってもグループであっても、衝突しそうな2つのところを大事にしながらファシリテートしていけばスムーズになる。

だから、ここでいうコミュニティというのは、集団だけを指しているのではなくて、一人の人でもあるし、集団でもあるし、もしかしたら宇宙でもいいかもしれないですね。そういうことまでひっくるめて、どの階層でも全部コミュニティと見る。

そうやってみることができれば、集団にも個人にも同じアプローチができるよね、というまとめ方をしています。僕は、単純な原理原則と方法論が好きなのです。それが分かっていれば、どこで何をやっていても順調じゃないですか。

だって、世の中には意図していることと意図していないことしかないわけなので。僕達がいつも直面するのはこの2つなので、その付き合い方が分かれば、いつ、どこにいってもやっていけるよね、と思って、それを“コミュニティファシリテーション”としています。

いろいろな組織、自治体や企業に行ったり、カップルにやったり、個人セッションをやったり、あるいは大きなイベントをやったりして、そこにいる人達の葛藤を理解して対話の場を作っています。それは全部探究の場で、ポイントをもっと鮮明にしていきたいですね。

そしてそれをできるだけ早く共有して、さきほど言った夢に向かって、それぞれが自分の持ち場でやりたい時だけやる、というようにゆる〜くやっていくといいんじゃないかな、と思い描いてます。


「今、悩みを抱えている方、困っている方へメッセージをいただけますか?」

(長い沈黙)一人ぼっちじゃないということかな。

僕自身は、本当に生きているだけで素晴らしいと思っているので、どういう状況においてもそれでいいんじゃないかって思っている。「苦しいところから抜けたい」という気持ちもきっとあるかもしれないと思うんですけど、抜けたいとまで思えていればそれもいいかもしれないですけどね。

僕はあまり解決指向でもないんです。「困っていることを解決しなければいけません」とも思っていないですし。観点としては、困っていることはギフトになり得るかもしれないとは思っていても、「それをギフトにしなさい」とも思わない。

とにかく、生きているだけで素晴らしいんだと思っているから、浮かんでくる言葉で言うと、「一人ぼっちじゃない」ということですかね。どういう在り方でもいいんだ、ということですね。

だからもし、「困っていて何とかしたい」ということであれば、誰かに助けを求めてもいいし、役に立つならなんでもしますけど、何とかしてあげようという気持ちは、僕はあまりない。

だからと言って、「待っていてもいいじゃん」と言いたいわけでもないし、「困っている、苦しんでいることがいいじゃん」とも思っていないし、何とかそれを気づいた人みんなが関わることも大事です。なので困っている人に言う言葉があるとしたら、「一人ぼっちじゃない」ということかな。


「今後の夢や展望を、教えていただけますか?」

もっといろんな現場に行きたい、ということですね。世界を旅したいですね。世の中にあるいろんな場所ということです。何ができるか分からないけど、いろんなところに行って体験してみたい、というのは、これまでもそうだし、これからも行ってみたいと思います。

展望については、僕の中では、さっきイメージがあると言ったことは実現するという確信があるわけです。ただ、どれくらいの時間でそれが実現するかというのは、正直言うと見積もれなくて。今45歳なので、僕がトレーニングした人達が、トレーナーとして誰かをトレーニング、つまり、僕のトレーニングしたトレーナーが育てたトレーナーがどんな人達を育てているかを早く見たいですね。

プログラムの改善とか、本当の実践者をどうやったらもっと育てられるか、というのは、もうちょっといろいろな人達と一緒にやっていかないと分からないですし、応用の世界というのは、いろいろな人達の個性があるから、僕の場合はこういうやり方、ということでやってきましたが、人によって全然やり方が違うと思います。

僕はどこまでも自分の夢を探究しようと思っていますが、今トレーニングを受けている人で意欲のある人達が活動していった時に、僕よりもいい仕事をしてほしいし、それが可能だと思っています。僕は幅広い現場で活動しているものの、ひとつひとつの現場で仕事の質はまだまだだと思っています。それに対して今トレーニングにいる方々は個性的で僕にはない素晴らしいセンスをもっています。これから出会う方々にもそれは見出せると思います。

何よりもその人自身が、僕よりもいい仕事をしていると思えることが大事だと思うし、そういう人が出てくるようにならなかったら、コミュニティファシリテーションはいらないんじゃないかと思います。そして、その人達が自分より優れた人を輩出できたら、トレーナーとしての成功だと思うんですよ。

そのためには、越えていく人を育て上げるだけの考え方と在り方とノウハウをきちんと持っている必要があるだろうし、そうでなかったら、描いている方向じゃないですね。僕の能力でどこまでできるのか疑問もあるので、どこまで自分のイメージに届くか、想像もできません。大風呂敷を広げているようにも思うので。

ただ僕は、優秀なファシリテーターを作りたいのではなくて、一人ひとりがそういう風に自分と関わる、つまり、火花に気づきながら取り込める、そういう人がいろんな場にたくさん増えるというイメージであって、そのために僕ができることのひとつは、そのトレーニングプログラムを作るということだと思っています。

でも、トレーニングを受けているとか受けていないとかではなくて、みなさんが今まで生きてきた智慧と経験の中に全部のヒントがあるわけで、あとはそれをどのように使うかの話です。

状況に気づくことができたり、考えたりできるかが肝なので、トレーニングプログラムでトレーナーを輩出するんだというのは、あくまで僕のできる範囲のこととしてフォーカスしていることです。ただ、もっといろんなルートでそういう人が増えていって、温かみのある世の中になることは僕の夢です。

結局、そのために一番重要なことは、僕自身がコミュニティファシリテーションの考えにすら縛られないときももちながら、出来事から学び続けていく自分を自由にのびのびと生きることなんだというところに戻ります。





<編集後記>

メールのやりとりだけで、当日のインタビュー場所で、はじめましてのご挨拶。
飾り気のない素朴な笑顔に、緊張がふっと軽くなりました。
廣水先生は、一つひとつの質問の言葉をとても丁寧に感じとりながら、
応えてくださいました。

日本各地をさすらう旅人は、「世界平和は自分の平和と身近な人の平和から」を
ポケットに忍ばせて、街でもめごとに出会うと平和の飴をプレゼント!

分かりにくいものをより分かりやすく伝えたいという気持ちは、さすが教育者。
アツ〜い気持ちが、コミュニティファシリテーションに織り込まれているのを
感じました。(A)



次回号「人がエンパワーされる社会とは? トランジション・タウンとチェンジ・ザ・ドリーム」→

←前回号「ラビング・プレゼンスは、究極のエンパワーメント!」


インタビューTOP(目次)

-ご案内- 廣水 乃生 先生 コミュニティファシリテーション研究所


廣水 乃生(ひろみず のりお) コミュニティファシリテーション研究所代表
                  日本プロセスワーク協会会長
  国連ESD認証プログラム・エコビレッジデザイン教育講師(世界観担当)

1968年生まれ。東京学芸大学大学院教育学研究科修了後、7年間にわたって教師を務める。教育を通して人と人とのつながりの大切さを感じ、学校と地域、行政と住民、親と子どもなど、異なる立場の人たちの橋渡しをすることを目指し、教諭を退職、米国プロセスワーク研究所にて、葛藤解決・組織変革ファシリテーションマスターコース修了、帰国後コミュニティファシリテーション研究所を設立。
ファシリテーションスキルを日常生活に活かすためのさまざまな講座や、コミュニティとそこにいる人たちをイキイキさせるコミュニティ・ファシリテーター認定プログラムを実施している。また、コミュニケーションや教育研修の講師や組織変革ファシリテーターとして、企業やNPO/NGOなどの多岐にわたる組織に関わっている。
現在は日本各地で、「世界平和は自分の平和と身近な人の平和から」を合言葉に、組織・企業の合意形成プロセスや研修、葛藤状況の話し合いの進行(ファシリテーター)をしている。「ストリートファシリテーション」と称し、街中でもめている人に介入したりする。自称「グループおたく」、「さすらいのファシリテーター」。


<コミュニティファシリテーション研究所のHP>
【コミュニティファシリテーション研究所】


<日本プロセスワーク協会のHP>
【日本プロセスワーク協会】


<参考書籍>

cover
永遠の少年



cover
人間と象徴 上巻



cover
ドリームボディ・ワーク



cover
ワールドワーク: プロセス指向の葛藤解決、チーム・組織・コミュニティ療法







インタビュアー:鈴木明美(すずきあけみ)
鈴木明美
セラピールームChildren主宰、Team Oasis 代表
自分がなんだか分からない。何かやりたいけど、見つからない。
心の悩み、病を抱えた方、自己実現したい方のお手伝いをいたします。

心理カウンセラー、ゲシュタルトファシリテーター、NLPセラピスト、
交流分析士1級、レイキヒーラー
HP:江戸川区西葛西、セラピールームChildren
ブログ:セラピールームChildren

インタビュアー:川田史郎(かわだしろう)
川田史郎
マーケティングプロデューサー、コーチ。

現状を変えていきたい人、何かをはじめたい人の
コーチングをしながら、
解決策のプロデュースや事業化のお手伝いをしています。



インタビュアー:高橋美智代(たかはしみちよ)
高橋美智代
不惑を過ぎてから、心理学を勉強中の身です。
一瞬一瞬を、共に過ごす人々と、大事にして生きていきたいと思う
今日この頃です。

好きな動物:猫
趣味:読書 ピラティス
レイキマスター

インタビュアー:大島まさあき(おおしままさあき)
大島まさあき
大島まさあきと申します。年齢は木村拓哉さんと同級生になります。

現在、働く悩み専門カウンセリングを行っています。
小田急 新百合ヶ丘で活動しています。
働くことに苦痛、違和感を持ったまま働き続けると
人生の大きな舵取りを誤る可能性があります。
自分を見つめ直す機会を持ってみませんか? お気軽にご相談下さい。
HP:働く悩み専門カウンセリング

インタビュアー:脇坂奈央子(わきさかなおこ 日本メンタルサービス研究所 所長)
脇坂奈央子
『道開きの心理士』 ……本来のあなたの道を開く、お手伝いをします。
ブライアン・ワイス博士直伝の、プロフェッショナル・ヒプノセラピスト。
前世療法・催眠療法を中心に、ニーズに応じた各種心理セラピーを施療。

心理士、認定THP心理相談員、統合心理セラピスト、心理カウンセラー、
米国NGH認定ヒプノセラピスト、認定キャリアコンサルタント、
代替療法セラピスト(レイキティーチャー)
HP:ワイス博士直伝の前世療法・催眠療法・心理療法★ラポール
発行メルマガ:こころの栄養@さぱりメント



運営管理:ラポール☆脇坂奈央子





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